上海証券取引所の科創板への上場を目指している、合肥新匯成電子(688403/上海)が8月8日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1億6697万株を発行予定で、公募価格は8.88元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2015年設立の民営企業で、21年に株式会社化した。IC(集積回路)の実装・テストサービスが主業務で、ディスプレイドライバーIC(DDIC)分野にフォーカスしており、業界をリードする地位を確保している。金スタッドバンプの製造を中心に、ウエハーCPテスト、ガラス上へのドライバーIC実装(COG)、フィルム基板上へのドライバーIC実装(COF)など各セクションの実装・テスト総合サービスを提供し、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、高精細テレビ、ノートパソコン、タブレットコンピューター向けのLCD、AMOLEDなど主要パネルディスプレイドライバーICに利用されている。2020年現在、DDICの実装・テスト市場シェアは出荷量ベースで世界3位(約5.01%)、中国国内で1位(約15.71%)だ。
 
 世界の半導体実装・テスト市場規模は2016年の510億米ドルから20年には594億ドルと安定的な成長を続けている。20年の新型コロナ感染拡大期も、5Gの普及によるスマートフォンやパソコンの新たな需要、リモートワーク奨励に伴う電子製品需要に支えられて前年比4.95%の成長を実現した。今後も市場は緩やかに拡大を続け、25年には722億ドルに達するとみられている。21〜25年の予想年間平均成長率は4%だ。中でも中国市場の成長は著しく、16〜20年の年平均成長率は12.54%と世界全体の3.89%を大きく上回った。20年の市場規模は2509億元で、25年には3551億元に達すると予測されており、年平均ペースは7.5%である。これに伴い、中国市場の世界市場に占める割合はさらに高まり、25年には75.61%に達する見込み。一方、世界の先進的実装・テスト市場に占める中国市場の割合は25年時点でも32%となっており、その後もさらに大きく成長する可能性を秘めている。
 
 また、ディスプレイパネルの出荷量増加に伴いDDIC市場も急成長中であり、世界の出荷量ベースの市場規模は2016年の123億9100万個から20年には165億4000万個にまで増え、25年には233億2000万個に達する見込みだ。中国市場は世界市場を遥かに上回るペースで成長しており、16年の23億5000万個から20年には2倍以上の52億7000万個になった。そして25年には世界の30%を超える86億9000万個にまで増えるとみられている。
 
 同社は業界をリードする技術開発力、プロフェッショナルなマネジメントチームを備えていること、DDIC実装・テストの全フローを網羅しておりワンストップ生産が可能であること、京東方など著名なパネルディスプレイメーカーを顧客に持っていること、DDIC実装・テスト分野で高い競争力を持っていることなどを強みとする一方で、運営資金が不足し、調達手段も限られていること、手掛ける製品がDDICという単一分野に限られており、センサーやCPUなどのチップ実装分野が開拓できていないことなどがボトルネックとなっている。
 
 また、市場競争の激化、売上が少数の顧客に集中していること、材料供給が少数のサプライヤーに集中していること、生産設備の80%以上、原材料の40%以上を日本を中心とする海外から調達していること、売上ベースで海外顧客が70%を占めていることなどが、経営上のリスクとして存在する。
 
 2021年12月期の売上高は7億9569万元(同28.56%増)、純利益は1億4031万元(前期は400万元の純損失)。22年1〜3月期の売上高は2億3035万元(前年同期比49.34%増)、純利益は4864万元(同630.42%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)