深セン証券取引所の創業板への上場を目指している、安徽宏宇五州医療器械(301234/深セン)が6月24日、新規公開(IPO)に向けた公募を介する。1700万株を発行予定で、公募価格は26.23元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2011年に安徽宏宇五州医用器材有限公司として設立した民営企業で、17年に株式会社化して現社名となった。使い捨ての無菌輸液類医療機器の研究開発、生産、販売およびその他の診断、ケアなど関連医療用品の統合供給を主業務としており、主にODM生産によって中国国外の医療機器ブランドに対して製品を供給している。主な製品は使い捨て注射器、使い捨て輸液輸血器、医療用穿刺針のほか、血圧計、フェイスマスク、導尿チューブなどの医療用品で、さまざまな仕様を網羅し、アジア、欧州、南米、北米、アフリカの80以上の国・地域にある300以上の顧客と広範かつ持続的な提携関係を築いている。2021年12月期の売上構成は、注射器が47.27%、医療用穿刺針が28.94%、輸液輸血器が12.41%。

 世界の医療機器市場規模は2017年に4050億米ドルに達し、24年には5945億ドルと年平均約4%のペースで成長することが見込まれている。欧米、日本など先進国では早い時期から医療機器産業が発達し、大規模かつ安定的な市場規模を持つ。また、中国、インド、メキシコ、ブラジル、ロシアなどでは医療保健システムの改善の余地がまだまだ大きく、設備の普及や世代交代対する需要は大きい。アフリカでは医療機器市場は初期段階にあるものの、富裕国を中心に市場規模が拡大し始めている。
 
 中国の医療機器市場規模は2018年に5304億元となり、04〜18年の年平均成長率は20.02%に達して世界市場の成長ペースを大きく上回った。市場規模はさらに拡大を続け、22年には9582億元に達すると予測されている。中でも、中国は使い捨て注射器の生産大国である。国内消費だけでなく海外への輸出も年々増加しており、06年の1億2100万ドルから18には8億1000万ドルと年平均17.14%のペースで増えた。世界179カ国・地域に輸出されており、米国向けが約半数を占める。
 
 同社は、医療機器の中でも使い捨て注射・輸液製品の分野に特化して優れた技術を持ち、低コストで品質の安定した製品を提供可能であること、中国国内業界で早い時期に自動化生産設備を導入するなど、安定的な供給能力を持っていること、世界各地に顧客リソースを持っていることなどを強みとする一方で、ローエンドな消耗品の製造が主体でハイエンド製品分野の開拓ができていないこと、生産規模が需要の増加に追いつけなくなっていること、ODM生産が主体であり、自らのブランドを確立できていないことがボトルネックとなっている。また、売上のほとんどが海外向けであり、特に使い捨て注射器では輸出の約半分が米国向けということで、為替レートの変動、国際情勢の変化、米中間の貿易摩擦といった点が経営上のリスクとして存在する。

 21年12月期の売上高は5億1296万元(前期比8.85%増)、純利益は6839万元(同20.53%増)。22年1〜3月期の売上高は1億2048万元(前年同期比20.05%増)、純利益は1278万元(同8.28%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)