北京証券取引所への新規上場を目指している、深セン市則成電子(837821/北京)が6月23日、新規上場(IPO)に向けた公募を開始する。1500万株を発行予定で、公募価格は10.80元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2003年設立の民営企業で、16年に株式会社化した。フレキシブルなインテリジェント電子モジュールおよびプリント基板(PCB)の設計、研究開発、生産、販売を主業務としている。イヤホンモジュール、タッチ制御モジュール、プリント制御モジュール、アシストステアリングモジュール、手術用モジュール、指紋認証モジュールなどの製品を扱っており、ボーズ、デル、富士フイルム、富士通、メドトロニック、マシモなどのコンシューマー電子、医療電子、生体認証、自動車電子分野の企業を顧客に持つ。
 
 電子情報産業の発展に伴い、現在の電子製品には軽量化、携帯性、インテリジェント性といった要素がますます求められている。例えば完全ワイヤレス(TWS)イヤホン、スマートフォン、スマートウォッチ、インテリジェント医療機器、指紋認証などであり、これらの用途に合わせたフレキシブル電子技術も世界の主要国が発展を争う先進技術の一つとなっている。また新エネルギー自動車市場の発展に伴い、自動車製造における電子部品の重要度は一層高まっており、電子部品の自動車製造全体に占めるコスト比率は1970年の3.6%から2000年には19.1%、20年には34.3%にまで増加、30年には約半分の49.6%にまで達するとみられている。新エネ車の生産台数は昨年ごろより急速に増加しており、電子部品の屋台骨である各種モジュール、電子基板のニーズも高まる一方だ。
 
 さらに、医療用電子部品も安定的な成長が見込まれる市場の一つだ。電子血圧計、携帯式血糖測定器、電子補聴器、冠動脈バイパス、電子義足など、電子モジュールの用途はますます広がっており、人体に合わせたさまざまな形状が求められる中でフレキシブル基板(FPC)の存在価値は非常に高い。世界の医療設備市場規模は2015年の3787億米ドルから20年には4707億ドルにまで成長、22年には5279億ドルに達するとみられている。その背景には、5G通信やIoTといった新世代の情報通信技術の発達がある。
 
 同社は的確な市場動向や顧客ニーズの分析による高い研究開発力、カスタマイズ生産能力を備えていること、さまざまな分野に対応した豊富なラインナップのFPC製品を提供していること、各分野の国際大手メーカーを顧客に持っていることなどを強みとする一方で、国内外のリーディングカンパニーに比べて生産規模が小さく、一斉の市場シェアを獲得できていないこと、競争力を高めるための資金力が弱いことがボトルネックとなっている。新型コロナの感染再拡大、市場競争の激化、原材料価格の変動、海外向けの売上が全体の8割以上を占めていることによる為替レート変動リスク、売上の6割近くを米フレキシブル・サーキット・テクノロジーズ社が占めていることなどが経営上のリスクとなっている。
 
 2021年12月期の売上高は3億3198万減(前期比36.75%増)、純利益は3289万元(同82.74%増)。22年1〜3月期の売上高は6551万元(前年同期比41.86%増)、純利益は242万元(同65.72%減)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)