米国が感謝祭の祝日のためドル円は115円台前半から半ばで推移。参加者は少なく取引は閑散。ユーロドルも同様に1.12台前半から半ばで推移。域内の新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、上値は重い展開が続く。原油は小幅に下げながらも78ドル台は維持。

ドル/円     115.24 ~ 115.40
ユーロ/ドル   1.1206 ~ 1.1230
ユーロ/円    129.09 ~ 129.52
NYダウ      ------ → 35,804.38
GOLD      ------ → 1,784.30ドル
WTI     -0.36 → 78.03ドル
米10年国債    ------ → 1.634%

【本日の注目イベント】

豪   10月小売売上高
日   11月東京都区部消費者物価指数
欧   ユーロ圏10月マネーサプライ
米   株式・債券市場、短縮取引ブラックフライデー

 昨日の海外市場では米国が「感謝祭」の祝日だったことからほぼ無風状態でした。ドル円は東京時間から115円台半ばをやや下回る水準で張り付いたまま、動意はありませんでした。115円台半ばという、2017年1月以来となるドル高水準だということもあり、もう少し実需を中心にドル売りが出るのではと予想していましたが、実際には相場を下押しするほどの売りは見られなかったようです。日本企業の多くは中間決算の発表を終えましたが、その中で輸出企業の今年度下期の為替レートは概ね110円以下で利益計画を立てているようです。仮に110円としても足元のレートからは5円以上の「為替益」が見込めるため、企業の為替担当者にも余裕があるようです。現段階ではあわててドル売り注文を持ち込むような状況ではないと見られます。

 米国は10月のCPIが年率で「6.2%」の上昇と、FRBの目標値から大きく超えており、さらに今週発表されたPECコアデフレーターも「4.1%」の高水準でした。このため、FOMCメンバーの中には、今月から始まったテーパリングを加速させるべきだと主張する動きも出て来ました。その結果、その先にある利上げのタイミングも早まる可能性があり、大手金融機関の調査部では、2022年6月に第一回の利上げが行われ、9月と12月にも利上げを見込んでいます。さらに2023年にも2回の利上げを見込んでおり、このシナリオではテーパリングの終了は来年3月と予想しています。

 米国では物価上昇が続き、昨日の感謝祭では必需品の「七面鳥」の値段が前年比24%も値上がりしているとの報告もあり、物価高は人々の大切な年中行事の祝い方にも影響を及ぼしているようです。本日から始まる「ブラックフラーデー」でも値上がりを目の当たりにすることになろうかと思います。米国の物価高は、メーカーが仕入れコストや賃金の価格に転嫁しやすいことに一因があるとも言われています。翻って日本では、長い間続いたデフレの影響もあり、米国のように簡単には価格に転嫁できない事情があります。価格競争が激しいということもあり、人々の価格を見る眼も肥えているようです。それでも今秋は値上げラッシュのようですが、ちょうど今市場に出回ってきたいちごでも、価格を上げずに、パックの中のいちごを1個減らすといったような努力がなされているようです。

 日本の10月のCPIは「+0.1%」でした。
 生鮮食品とエネルギーを除いたコアコアでは「-0.7」で、今年の4月以降マイナス圏に沈んでいます。携帯電話料金の値下がりが大きな要因と見られていますが、この状況下でも日本ではインフレは来ないのでしょうか?「失われた30年」で染みついた「物価は上がらない」といった根拠なき幻想は、筆者も含めて多くの日本人が持っている認識です。あの日銀による「異次元緩和」でも物価上昇が続かなかったのは事実です。しかし、今回はこれまでとは異なると、筆者は考えています。サプライチェーンの混乱、人手不足、さらに原油高による原材料や物流コストの上昇。また資源高は原油だけではなく多くの資源にも及んでいます。そこに「円安」という要因も加わり、物価上昇のマグマは相当溜まっていると思われます。いずれゼロ金利政策は解除になり、徐々に金利は上昇すると予想しています。困るのは「変動型」の住宅ローンを組んでいる住宅購入者です。金利が上昇すれば当然「変動型」から「固定型」へ変えようと多くの人が考えますが、その時は「固定型」の金利は一気に上昇するはずです。長期になればなるほど上昇幅は大きくなるでしょう。今、「0.4%台」や、「0.6%」台で借りている人は、いまのうちに内入れ原資を貯めておく必要があろうかと思います。因みに筆者が最初に借りた住宅ローン金利は「4.25%」でした。それも「変動型」で、優遇も受けての金利です。1983年のことでした。

 本日もNYでは債券と株が短縮取引となり、ドル円は大きな動きにはつながらないと見ていますが、115円台半ばから上値を抜け切ることが出来るかどうかです。115円を割り込む場面もあろうかとは思いますが、深く押す可能性は低いと思われます。米長期金利の動きと原油価格の動向を睨みながらの展開となります。

 本日のドル円は114円70銭~115円50銭程度といったとろでしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)