東京時間では日経平均株価が500円を超える下げを見せたことでドル円も114円を割り込んだが、海外市場では反発。NYでは115円52銭までドル高が進む。ユーロドルでもドル高が加速し、ユーロは1.1186まで下落。株式市場は前日と対照的な動きとなる。長期金利が低下したことでナスダックは上昇しダウは下落。ただ終盤にかけては下げ幅を縮小しダウは9ドル安で引ける。債券は反発。長期金利は1.63%台へ低下。金は小幅に反発し、原油は反落。

7-9月GDP(改定値)            →  2.1%
10月個人所得                 →   0.5%
10月個人支出                 →  1.3%
10月PCEコアデフレータ           →  4.1%
11月ミシガン大学消費者マインド(確定値)   →  67.4
10月新築住宅販売件数             →  74.5万戸
 新規失業保険申請件数              →  19.9万件

ドル/円  115.10 ~ 115.52

ユーロ/ドル 1.1186 ~ 1.1216


ユーロ/円  128.96 ~ 129.32

NYダウ   -9.42 → 35,804.38

GOLD   +0.50  →  1,784.30ドル

WTI   -0.11  →  78.39ドル
 
米10年国債  -0.031 → 1.634%


本日の注目イベント

日   9月景気先行指数(CI)(改定値)
独   独12月GFK消費者信頼感
欧   ECB議事要旨
米   NY休場(感謝祭の祝日)

 「42年ぶり」、「31年ぶり」・・・といった文字が踊った昨日の米経済指標の結果でした。新規失業保険申請件数は「19万9000件」と、先週から「7万1000件」も減少し、コロナ前の水準をも下回り、1969年以来となる低水準でした。労働市場の改善傾向が続く中、やはり失業手当の手厚い上乗せ分が終わり、人々が外に仕事を見つけに出て、そこで好条件の仕事を手に出来たことが大きく影響していると考えられます。人手不足が続いており、職種さえ選ばなければ容易に仕事を見つけることができ、しかも賃金もそこそこもらえる、「売り手市場」の状況が続いています。この結果は、来週の雇用統計にも影響してくると思われ、利上げのタイミングも前倒しになる可能性があります。パウエル議長も今月のFOMC後の記者会見で、まだ利上げの時期ではないとする理由に、「労働市場の一段の回復を目にしたいからだ」と述べていました。利上げに関する市場の見方も、すでに2022年には2回の利上げを見込む水準まで織り込んでおり、フェデラル・ファンド金利先物市場では、2022年12月の利上げの確率は「59.1%」にまで高まって来ました。

 11月2-3日に開催されたFOMCの議事録が公開されました。この会合でテーパリングの開始が決定されたわけですが、議事録では「幾人かの参加者は、インフレがFOMCの目標と整合する水準を上回る状態が続いた場合に、FOMCは資産購入ペースを調整し、フェデラル・ファンド金利誘導目標レンジの引き上げ開始を参加者が現在想定する時期から早める準備を整えるべきだと主張した」と記されていました。これまでは高進するインフレに対して「一過性」だと繰り返し述べてきたFRB執行部でしたが、「一過性」だとしながらも、想定以上に続いた場合にはテーパリングのスピードを早めるべきだとの表現に替わってきました。またインフレに対する懸念から、クラリダ副議長とウオラー理事、ブラード・セントルイス連銀総裁、さらにデーリー・サンフランシスコ連銀総裁など、一部の金融当局者は、12月14-15日に開催される次回のFOMCで、テーパリングのペース加速について議論するのが適切になるかもしれないとの見解を示していました。(ブルームバーグ)

 デーリー総裁は昨日のヤフー・ファイナンスとのインタビューでも、「これまでの状況が続けば、私はテーパリングのペース加速を全面的に支持するだろう」と述べ、「それを加速させるべき論拠は確かにある。次回の会合前に発表される重要なデータは2つある」とし、「これまで発表された雇用の数字の一部が上方向に修正されたことを示している。雇用市場では人員採用が実に活発に続いているようだ」と説明し、また「インフレの数字については、月間ベースで数カ月にわたって減速した後、CPIの月間の数字が再び高進した。これが続けば、これらはテーパリングの加速が必要なようだと示唆するものになる」と語り、12月3日の雇用統計と同10日のCPIの発表を念頭に置いているとみられます。因みに、デーリー総裁は今年FOMCでの投票権を有しています。

 昨日の東京時間では、理由もあまり明確ではない中、日経平均株価が一時500円を超える下げを見せたことで、ドル円も115円を割り込み114円83銭まで下押しされました。しかし「主戦場」の海外では再び上昇し、NYでは115円52銭までドル高が進んでいます。昨日も述べたように、115円から上方にはこれと言ったレジスタンスはなく、予想外に上昇スピードが速まることも考えられます。上昇基調が続いていた金価格も、さすがに足元のインフレ懸念やパウエル氏の議長再任から大きく下げてきました。ただやや懸念されるのは、新型コロナウイルスの感染が欧州だけはなく、米国でもじわじわと再拡大してきたことです。昨日も新規感染者数は10万人に迫るところまで増えてきました。再びロックダウンの導入といった措置が取られるようだと、利上げシナリオにも修正が加えられる可能性もあります。インフレを示す経済指標とともに、コロナ感染の状況にも目配りが必要です。

本日のドル円は115円~115円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)