北京証券取引所への上場を目指している、鎮江三維輸送装備(831834/北京)が8月8日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。3000万株を発行予定で、公募価格は5.2元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2004年設立で、14年に株式会社化した。輸送機械部品製品の開発、生産、販売を主業務としており、消耗部品のワンストップ式供給実現を目指している。特に食糧、飼料の加工・輸送分野に特化しており、スイス・ビューラー、捷賽など中国内外の食糧輸送機械大手メーカーや、中国儲糧管理集団、CPグループなどの食糧関連グループ企業を顧客に持つ。2021年12月期の売上構成は、バケットエレベータ関連部品が58.89%、フライトコンベア関連部品が15.59%、ベルトコンベア関連部品が6.66%、スクリューコンベア関連部品が9.35%、エンジニアプラスチック製高分子耐摩耗材が7.08%となっている。
 
 中国の輸送機器市場は国の産業政策や旺盛なニーズによってその規模を年々拡大し続けており、2019年の480億元から23年には530億元に達するとみられている。その中で、食糧業界向けの輸送機械市場では、輸送機単体の性能、品質もさることながら、食糧プロジェクトや他の食糧設備システムとのマッチング度が重要視される。メーカーは顧客の実際のニーズを十分に把握し、設計から生産、アフターサービスまでをワンストップで実現する体系的なソリューションプランを提供する力が必要だ。
 
 また、一般の工業分野の輸送機械部品に比べて、食糧分野の輸送機械部品は種類や規格が雑多で、標準化が進んでいないため量産が難しいという特徴を持つ。これにより業界内では1種類あるいは数種類の部品に特化した小規模経営の企業が大量に存在する状況で、部品ごとに企業間の競争が激しくなっている。高い設計力と技術力を持ち、さまざまな種類を生産できる総合的な力を持った食糧輸送機械部品メーカーはほとんどなく、同社が唯一の存在となっている。
 
 同社は国家ハイテク企業の称号を2009年より獲得し続けるなど、高い技術力、開発力を持つこと、設計から生産までを手掛け、互換性や合理性を十分に備えた部品を顧客に提供できること、情報化管理や設計の最適化を通じて生産コストの低減を実現していること、業界内で高いブランド力を持っていることなどを強みとする一方で、資金調達力の弱さ、鉱山、建築、港、電力、化学工業など食糧輸送機械分野の販売チャネル開拓が不十分であることがボトルネックとなっている。金属やプラスチックなど原材料価格の変動、輸出を増やす中での為替レート変動などが経営上のリスクとして存在する。
 
 2021年12月期の売上高は2億8453万元(前期比22.87%増)、純利益は3972万元(同3.83%増)。22年1〜3月期の売上高は4856万元(前年同期比10.92%減)、純利益は386億元(同31.15%減)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)