上海証券取引所の科創板への上場を目指している、北京浩瀚深度信息技術(688292/上海)が8月5日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。3929万株を発行予定で、公募価格は16.56元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は1994年設立の民営企業で、2013年に株式会社化した。ネットワークのインテリジェント化、情報セキュリティ防護ソリューションプランの設計と実行、ソフトウェア・ハードウェアの設計開発、製品販売、技術サービスなどの業務を手掛けている。具体的にはソフトウェア・ハードウェアのDPI(ディープ・パケット・インスペクション)システム、データ合成・コンテンツ復元システム、ビッグデータプラットフォーム、ネットワークの深度可視化分析システム、ユーザーアクションログ保存システム、ネットワーク運営・データセンター総合管理システムなどの製品、サービスを提供する。売上の約7割はDPIシステムなどネットワークのインテリジェント化ソリューションプランとなっている。主な顧客は中国移動、中国電信、中国聯通の3大運営事業者とその子会社であり、特に中国移動とその子会社向けの売上が全体の8割以上を占めている。
 
 ソフトウェアおよび情報技術サービス業は、技術イノベーションをリードし、経済社会のモデルチェンジを牽引する大きなパワーであり、中国の製造大国、ネットワーク大国の地位を支える存在となっている。2021年における中国のソフトウェア・情報技術サービス業市場規模は9億4994万元で、前年比17.7%増と優れた発展トレンドを呈している。また、ネットワークの可視化は、トラフィックデータを収集、分析してネットワークセキュリティを確保したり、ビッグデータを利用して意思決定を行ったりする上でますます重要性が高まっており、21年の中国国内におけるネットワーク可視化業界市場規模は338億9000万元前後にまで達したと見られる。

 同社は30年近い経験と技術の蓄積を持っていること、中国の電気通信3大キャリア、特に中国移動と長期的に安定した関係を築くなど優れた顧客リソースを持っていることなどを強みとする一方で、華為技術(ファーウェイ)などの大手に比べると経営規模が非常に小さく、資金調達の手段も限られていることがボトルネックとなっている。また、売上が少数の顧客に集中していること、製品の利用分野が電気通信事業者のネットワーク整備に偏っていること、製品の材料となる半導体の調達を海外のサプライヤーに依存していることなどが経営上のリスクとして存在する。
 
 2021年12月期の売上高は5億9700万元(前期比11.71%増)、純利益は5805万元(同8.78%増)。22年1〜3月期の売上高は5841万元(前年同期比18.53%増)、純損失は299万元(前年同期は125万元の純損失)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)