上海証券取引所の科創板への上場を目指している、浙江海正生物材料(688203/上海)が8月5日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。5067万株を発行予定で、公募価格は16.68元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2004年設立で、バイオプラスチックの一種であるポリ乳酸の研究開発、生産、販売を主業務としている。溶融温度、分子量の分布、溶融流動速度、単体残留といった性能指標において世界の先進レベルに達しており、強い国際競争力を持っている。中国国内の日用品企業、ポリ乳酸製乳酸メーカーなどと取引があるほか、EUのREACH認証、オーストラリア、ドイツ、米国、オーストリアの堆肥化可能プラスチック認証、米FDAの食品接触安全認証などを取得し、独BASF、イタリアのバイオプラスチックメーカー・ノバモント、韓国小売グループBGFなど海外企業に製品を供給している。

 自然界で分解可能なバイオプラスチックは、従来のプラスチックに取って代わり得るグリーンな環境保護材料として注目を集めている一方で、その製造コストは従来のプラスチックに比べてなおも高く、その普及には行政による後押しが欠かせない。中国政府は近年環境保護政策に積極的に乗り出し、従来のプラスチック使用の規制あるいは禁止に向けたタイムスケジュールを明確に打ち出しており、同社が手掛けるポリ乳酸プラスチックを含むバイオプラスチックはより広い分野で普及することが予測される。
 
 中国国内のバイオプラスチック市場では、2019年時点でポリ乳酸が25%を占めている。また、22年にはポリ乳酸需要が120万トンに達する見込みだ。その6割以上が包装材料に用いられるほか、食器や繊維、不織布、3Dプリント材料などに利用される。同社は21年、中国国内で1万6000トンのポリ乳酸を販売し、業界トップとなる34.14%のシェアを獲得した。しかし、中国企業全体ポリ乳酸の生産能力は海外企業に比べるとなおも小さく、21年には2万5000が輸入された。輸出量は6000トン程度に留まっており、国産製品の生産能力拡大によりさらなる中国国内シェア拡大、さらには輸出の拡大が期待される。

 同社は15年以上にわたり専らポリ乳酸の研究開発に取り組んでおり、高い技術力を持っていること、中国国内を中心として高いブランド力を持っていること、欧米の各種認証を取得していることなどを強みとする一方で、業務規模が小さいうえ、業務拡大に向けた資金調達の手段が限られていること、国際市場における地位が低いことなどがボトルネックとなっている。また、業界の発展が分解可能プラスチックの導入を奨励する政策に依存していること、競争の激化、トウモロコシなど原材料価格の上昇といった経営上のリスクが存在する。

 2021年12月期の売上高は5億8500万元(前期比122.72%増)、純利益は3524万元(同16.30%増)。22年1〜3月期の売上高は1億7531万元(前年同期比39.85%増)、純利益は993万元(同28.91%減)(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)