深セン証券取引所の創業板への上場を目指している、東莞市凱格精機(301338/深セン)が8月4日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1900万株を発行予定で、公募価格は46.33元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2005年設立の民営企業で、19年に株式会社化した。自動化精密設備の研究開発、生産、販売、技術サポートサービスを主業務としている。主要製品ははんだペースト印刷設備で、主に電子工業製造分野のプリント基板部品実装に用いられている。また、LEDカプセル化設備、グルーディスペンサー、フレキシブルオートメーション設備なども扱う。現在、富士康(フォックスコン)、華為技術(ファーウェイ)、BYD、コンパル・エレクトロニクス、ジェイビル、JUKIなど中国内外の著名企業の設備サプライヤーとなっている。

 2021年12月期の売上構成は、はんだペースト印刷設備が82.73%、グルーディスペンサーが8.12%、LEDカプセル化設備が7.14%、フレキシブルオートメーション設備が2.00%だ。
 
 工業の自動化設備は工場の大規模で高効率、正確で安全な生産の大きな前提となっており、その利用範囲は非常に広範で、発展の前途は明るいと言える。世界の自動化設備市場規模は2016年の1944億米ドルから19年には2147億ドルにまで増加した。IoT、5G技術、人工知能(AI)技術の成熟、商業化によりさらに需要は拡大し、22年には2299億ドルに達する見込みだ。中国の市場規模も安定的に増加しており、16年の1421億元から19年には1865億元に達した。中国国内製造業の自動化がさらに進むことで、中国市場は大きく拡大する可能性を秘めている。
 
 また、これまで中国の工業設備市場は海外製品に大きく依存してきたが、近年では同社を含めた中国メーカーが急速に実力をつけ、徐々に輸入品から国産品への置き換えが進んでいる。中国政府が国産品奨励政策を打ち出していることもあり、中国の国産自動化精密設備産業は今後さらに飛躍的な発展を遂げるものとみられる。
 
 同社は画像、ソフトウェア、運動制御、電気制御、機械、CAE、システムアセンブリの7大分野を網羅する研究開発センターを設けるなど充実した研究開発体制を持つこと、はんだペースト印刷設備で豊富な技術経験を持つこと、設計、品質、多様性、カスタマイズ性で競合他社をリードしていること、巨大市場である中国において海外のライバルに比べて高い顧客サービス力を持っていることなどを強みとする一方で、ハイエンド人材の呼び込み不足、資金力の不足がさらなる発展に向けてのボトルネックとなっている。
 
 また、原材料価格の上昇、在庫評価額が年々増加して高い水準にあること、ここ3年の12月期末時点の売掛金が1億7000万元前後、期限までに回収できていない売掛金が3000万元前後と多くなっていることなどが経営上のリスクとして存在する。
 
 2021年12月期の売上高は7億9735万元(前期比33.96%増)、純利益は1億1318万元(同32.62%増)。22年1〜3月期の売上高は1億5959万元(前年同期比0.95%減)、純利益は2032万元(同29.48%減)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)