深セン証券取引所の創業板への上場を目指している、成都趣睡科技(301336/深セン)が2日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1000万株を発行予定で、公募価格は37.53元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 同社は2014年設立の民営企業で、19年に株式会社化した。高品質で取り付けが容易な家具、インテリア用布製品などの研究開発、設計、生産、販売を主業務としており、「8H」というブランドにより消費者の間で比較的高い知名度を持っている。主な製品はマットレスやソファーなどのソフト家具、ベッドフレーム、ちゃぶ台、ダイニングテーブルなどの木工家具、枕、布団、シーツなどの布製品。21年12月期の売上構成は家具製品が63.48%、インテリア用布製品が36.52%となっており、家具製品ではマットレス、布製品では枕の売上が多くなっている。また、95%以上が「小米有品」、「京東商城」などのECプラットフォーム、会社の公式サイトを通じたオンライン販売による売上だ。
 
 世界の家具市場規模は2014年に4800億米ドルで一旦ピークに達し、15年には4060億ドルと大きく落ち込んだもののここから再び増加に転じ19年には14年を上回る4900億ドルを記録した。このうちアジア太平洋地域の市場規模が過半数の2580億ドルとなっており、アジア地域をはじめとする新興市場の成長に伴って今後も世界の家具市場は安定的な成長を実現するものとみられる。
 
 特に中国の家具市場は経済の急成長、都市化の推進に伴う生活レベル向上により近年急拡大しており、03年から19年の年平均成長率が15.40%に達し、19年の市場規模は7117億元にのぼった。先進的な技術や材料の導入により中国の家具メーカーのレベルも年々上昇しており、国際的な競争力を持つ企業も出現している。その一方で、18年末時点で国内の家具メーカーが3万社以上と非常に多く、ますます競争が激しくなっている。業界トップ10社の合計市場シェアも9.69%で、米国の31.1%に比べてかなり低い状況だ。
 
 また、中国は今や世界最大のベッド用マットレス生産国、輸出国、消費国になっている。市場規模は2008年の23億8000万ドルから17年には89億4000万ドルにまで増えたが、それでも100人あたりのマットレス年間消費量が4.8枚と12.7枚の米国の約38%にとどまっていることから今後もさらに需要が大きく増加する可能性がある。さらに、中国の消費者が5年以内にマットレスを交換する割合はわずか14%と、米国48%に比べて遥かに低いのが現状であり、生活水準の向上やより快適な睡眠環境へのニーズの高まりによってマットレス交換の頻度が増え、需要がさらに拡大する潜在性も持っている。大きなシェアを持つ「超大手」が存在しない中国国内市場での激しい競争を勝ち抜き一定のシェアを獲得することが同社の大きな目標だ。
 
 同社は高い知名度を持つブランドを持っていること、グラフェンをはじめとする新材料を積極的に取り入れていること、高いコストパフォーマンス、奇をてらわず消費者のニーズを重視した製品開発を行っていること、在庫の回転率が非常に高いこと、オンライン販売に特化していることなどを強みとする一方で、国際的な著名家具ブランドに比べるとまだまだ知名度が低いこと、業務規模拡大に向けた資金を調達する手段が限られていることなどがボトルネックとなっている。また、売上で大きく依存している小米集団や京東集団などECプラットフォームを運営事業者との提携状況の変化、競争のさらなる激化、「8H」ブランドをめぐり他企業から商標権侵害の訴訟を起こされ係争中であることなどが経営リスクとして存在する。
  
 2021年12月期の売上高は4億7269万元(前期比1.24%減)、純利益は6845万元(同0.85%増)。22年1〜3月期の売上高は9323万元(前年同期比16.57%減)、純利益は1500万元(同11.00%減)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)