ドル円は続落し、NYの午後には131円60銭まで売られる。ISM製造業景況指数が前月に続き低下したことからドル売りが優勢に。米長期金利の低下もドル円にとって重石に。ユーロドルでもドル安が進み、ユーロは1.0275まで上昇。株式市場は4日ぶりに反落。日中では上昇する場面もあったが、利益を確定する売りが優勢となり、3指数は小幅に下落。債券は続伸。長期金利は4月7日以来の低水準となる2.57%台まで低下。金は4日続伸。原油は中国を始め世界的に製造業が低迷するとの見方から4ドルを超える大幅な下げとなる。

7月ISM製造業景況指数          → 52.8
7月S&Pグローバル製造業PMI(改定値) → 52.2

ドル/円    131.60 ~ 132.51
ユーロ/ドル  1.0225 ~ 1.0275
ユーロ/円   134.87 ~ 135.63
NYダウ   -46.73 → 32,798.40ドル
GOLD    +5.90 → 1,787.70ドル
WTI     -4.73 → 93.89ドル
米10年国債 -0.076 → 2.573%

【本日の注目イベント】

豪 6月住宅建設許可件数
豪 RBA、キャッシュターゲット
日 7月マネタリーベース
米 7月自動車販売台数
米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
米 米国務長官、カンボジアやフィリピンなど歴訪
米 中間選挙予備選(アリゾナ、カンザス、ミシガン、ミズーリ、ワシントン州)
米 企業決算 → パイパル、プルーデンシャル、スターバックス、

昨日もこの欄で述べたペロシ下院議長の台湾訪問問題で、筆者はどちらかと言えば訪問を避けると予想していましたが、昨日の夜の報道と今朝の情報によると、ペロシ氏は今日にも台湾を訪問する見通しです。ペロシ氏の台湾訪問が実現した場合、現職の下院議長としてはギングリッチ氏以来25年ぶりになるそうです。中国外務省は、これまで再々議長が台湾を訪問した場合、「断固とした措置をとる」と警告したきましたが、1日には「中国人民解放軍は決して座視することはない。必ず断固として強力な報復措置をとる」と、さらにエスカレートしたコメントを発表しています。ロシアのウクライへの軍事進行を目の当たりしている今、ややきな臭いにおいがしないでもありません。直ぐに米中が軍事衝突するとは思えませんが、台湾海峡へのミサイル発射や、新たな軍事行動に着手する、あるいは台湾当局が設置した「飛行禁止区域」への侵犯といった、中国による不穏な動きがあるかもしれません。今朝の報道では、ホワイトハウスは中国に対し、ペロシ議長の台湾訪問計画を巡り緊張をエスカレートしないよう求めたようで、バイデン政権が中国の報復に備えていることを示唆しています。米国家安全保障会議(NSC)のカービー報道官は会見で、「ペロシ議長には台湾を訪問する権利がある」と述べ、「議長は軍用機で移動しているため、台湾に到着すればホワイトハウスには分かるだろう」と述べています。また、メネンデス米上院外交委員長はペロシ氏の台湾訪問に関して、「台湾を訪問できる人とできない人を中国側が指示するのをわれわれが認めれば、台湾をすでに中国に譲ったことになる」(ブルームバーグ)と、やや強硬な発言を行っています。ペロシ議長は昨日シンガポールでリー・シェンロン首相と会い、今日にも台湾を訪れ一泊したのち、明日には蔡英文総統と会談する見込みのようです。

ドル円は早朝には131円48銭まで下落しました。昨日も述べた日足の「雲の下限」は、今朝の時点では131円48銭にあり、ちょうどこの水準突破を狙った動きのようにも思えます。この水準を明確に抜ければ130円台も覚悟する必要があり、130円を抜ければ筆者の相場見通しも「ドル高は終わった」と相場観を変えることになります。ただ、ペロシ氏の台湾訪問を巡る中国の「断固たる措置」の内容次第では、台湾海峡の危機は日本の危機にもつながり、円が売られる可能性もあるのではないかと思います。日本は製造業を中心に中国との結びつきが強いことは言うまでもなく、今日は日本株が売られるのは確実ですが、株安は円高傾向につながり易いこともあり、なかなか展開は読みにくいところです。

RBAは本日の会合でキャシュレート(政策金利)を引き上げる可能性が高いとみています。RBAは前回会合でもさらなる利上げを示唆しており、今回も0.5ポイントの利上げが見込まれます。実際に同幅の利上げになった場合、3会合連続の利上げとなり、利上げ幅は合計で1.75ポイントになります。

本日のドル円は130円50銭~132円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)