深セン証券取引所の創業板への上場を目指している、深セン市維海徳技術(301318/深セン)が8月1日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1736万株を発行予定で、公募価格は64.68元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2008年設立の民営企業で、16年に株式会社化した。高精細・超高精細なビデオ会議用カメラ、ビデオ会議用ターミナル、会議用マイクなどの音響、映像通信設備の研究開発、製造、販売および関連サービスの提供を主業務としており、製品はビデオ会議、教育向け録画・放送、行政・企業の業務、遠隔教育、遠隔医療、インターネットライブ、赤外線体温測定など幅広い分野で利用されている。
 
 2021年12月期の売上高はカメラが83.72%、ビデオ会議ターミナルが9.02%、音響・映像設備が1.50%となっている。会議用カメラは1080Pから4Kまでの解像度を網羅し、8Kについても開発中だ。会議や遠隔医療など専門的な用途のカメラを主体とし、コンシューマー向けなどへと延伸している。2020年12月期の売上高から推算した、同社の世界ビデオ会議設備市場シェアは3.7%、中国市場シェは7.5%程度となっている。
 
 中国のビデオ会議市場は2015年の59億7000万元から19年には213億4000万元と4年で3.5倍以上に拡大、年平均37.5%というハイペースで成長してきた。中国のビデオ通信市場全体の規模は15年の333億2000万元から18年には829億8000万元と年平均22.3%のペースで拡大しており、ビデオ会議市場の伸びがビデオ通信市場全体の成長を牽引している。23年にはビデオ通信市場規模が1601億元に達し、そのうちビデオ会議市場が535億2000万元と33.4%を占める見込みだ。
 
 また、ビデオ会議市場だけでなく、オンライン教育、オンライン医療の市場も年々拡大しているほか、ネットライブの普及に伴って個人ユーザーによる音声・映像通信ニーズも高まっており、同社製品を取り巻く環境は良好と言える。
 
 同社は映像処理技術、AIディープラーニングアルゴリズム、映像コーディング技術などの主要技術を掌握し、数多くの特許を取得するなど高い技術力、開発力を持っていること、各種解像度や用途に対応した幅広い製品を提供可能であること、中国内外の著名ビデオ会議設備ブランドや、中国移動、中国聯通、中国電信といった通信事業者などを顧客に持っていること、海外ブランド製品に比べて低コストで高品質な製品が供給可能であることなどを強みとしている。
 
 一方で、販売ネットワーク拡充に向けた資金投資が不足していること、顧客の需要を完全に満たす生産能力を確保できていないことなどがボトルネックとなっている。また、売上の3割以上が米国への輸出であり、米中間の貿易摩擦の激化が利益率低下につながる可能性があること、原材料価格の上昇などが経営上のリスクとして存在する。
 
 2021年12月期の売上高は6億22万元(前期比10.43%減)、純利益は1億4970万元(同11.06%減)。22年1〜3月期の売上高は1億2804万元(前年同期比25.39%減)、純利益は3004万元(同42.67%減)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)