深セン証券取引所の創業板への上場を目指している、吉安満坤科技(301132/深セン)が8月1日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。3687万株を発行予定で、公募価格は26.8元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2008年設立の民営企業で、18年に株式会社化した。PCB(プリント基板)の研究開発、生産、販売を主業務としており、片面・両面、多層精密PCBが主力製品。通信電子、コンシューマーエレクトロニクス、工業制御、セキュリティ、自動車電子などの分野に広く利用されている。弛みない技術革新と製品の改良により長寿命かつ高品質な製品の生産を実現しており、各分野で国内外の著名ブランドを顧客に持っている。
 
 2021年12月期の売上構成は、コンシューマーエレクトロニクス向けが37.68%、通信電子が24.44%、工業制御・セキュリティが23.90%、自動車電子が12.32%となっている。
 
 PCBは電子部品を回路に接続させる架け橋であり、通信、コンシューマーエレクトロニクス、コンピューター、自動車電子、工業制御、医療機器、国防・宇宙航空分野に広く利用される、現代の情報製品に不可欠な電子部品である。世界のPCB市場規模は2016年の542億700万米ドルから19年には613億1100万ドルへと増加し、24年には758億4600万ドルまで成長する見込みだ。中でも中国は19年現在で世界の53.7%を占める329億4200万ドルの市場規模を持つ、PCB業界の超大国となっている。
 
 PCBを必要とする分野では特にネットワーク設備、監視カメラ、新エネルギー車向け電子部品の市場が年々拡大を続けており、これらの旺盛な需要の後押しを受けて、PCB業界も安定的な成長が期待できる。
 
 同社はこれまでに120件を超える特許を取得し、一部製品で世界先進レベルの技術を持つなど、高い技術力、開発力を持っていること、広い分野で有力な顧客を獲得していること、調達コストの低減、生産技術の効率化により低コストかつ高品質な製品を提供可能であることなどを強みとする。一方で、会社の市場シェアが小さく、シェア拡大に向けた投資資金の調達手段が限られていることがボトルネックとなっている。また、売上が少数の顧客に比較的集中していること、銅板、銅箔、インク、金塩などの原材料価格の上昇などによる利益率の低下、市場競争の激化などが経営リスクとして存在する。
 
 2021年12月期の売上高は11億8933万元(前期比23.57%増)、純利益は1億610万元(同10.86%減)。22年1〜3月期の売上高は2億5951万元(前年同期比6.68%増)、純利益は2594万元(同3.65%減)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)