深セン証券取引所のメインボードへの上場を目指している、広東魅視科技(001229/深セン)が7月28日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2500万株を発行予定で、公募価格は27日に発表する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2010年設立の民営企業で、20年に株式会社化した。分散型視聴覚製品およびソリューションプランのプロバイダーとして、視聴覚信号の採集、伝送・交換、解析・処理、割り当てを行うソフトウェア・ハードウェアを融合した視聴覚製品を提供する。製品は指揮センター、割り当てセンター、会議室、モニタリングセンター、エキシビションセンターの視聴覚システムのほか、緊急対応管理、スマートシティ、電力エネルギー、レール交通、公安、監獄、気象などの分野で広く利用されている。
 
 分散アーキテクチャはノードを分散して配置した上で各種処理を実現する。拡張性に優れているほか、各ノードが独立して処理を行うため、単一ノードが故障しても全体のシステムが停止することがなく、高い安定性を確保する。同社ではIP分散方式と光ファイバー分散方式の2種類の分散アーキテクチャーをカバーしており、特にIP分散方式による視聴覚システムが主力製品となっている。売上構成で最も多いのは公安機関向けのシステムで20%前後を占め、都市総合管理、緊急対応管理がそれぞれ15%前後で続く。
 
 中国の公安当局は近年情報化体制を急ピッチで整備しており、情報化目的の支出が2015年の7648万元から20年には6億6188万元にまで増えた。また、中国軍も国防予算を大幅に増やす中で、指揮管理システムなどの情報化を積極的に進めている。このほか、エネルギーや交通など大規模な指揮センター、指令センターを必要とする業界も成長を続けており、同社のシステムが導入される機会はますます増えている。各種指揮センターにおける視聴覚システムは、4Kディスプレイや5G通信の普及によってよりリアルタイムに安定した情報の表示、伝達が可能であることが求められており、今後はより高い技術を持ち、顧客のニーズに柔軟に対応できる企業が市場シェアを伸ばしていくことになりそうだ。
 
 同社は自前のASEコンピュータースクリーンコーディング技術により低ビットレートで高画質の映像伝送を実現するなど高い技術力を持っていること、ハードウェアの能力を補強するソフトウェア製品を持っていること、幅広い分野で利用され、顧客のリソースが豊富であること、プロフェッショナルで成熟したマネジメントチームを有していることなどを強みとする一方で、さらなる発展のための技術人材、設計開発人材、そして資金調達力が不足していることがボトルネックとなっている。
 
 また、市場競争の激化に伴う利益率の低下、売上の7割以上が分散アーキテクチャシステム製品で、主製品が単一であること、経営規模が小さいこと、半導体をはじめとする原材料価格の大きな変動などが経営上のリスクとして存在する。
 
 2021年12月期の売上高は2億3585万元(前期比43.87%増)、純利益は9680万元(同27.24%増)。22年1〜3月期の売上高は3659万元(前年同期比15.01%増)、純利益は1464万元(同7.85%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)