上海証券取引所の科創板への上場を目指している、湖北超卓航空科技(688237/上海)が6月22日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2240万株を発行予定で、公募価格は41.27元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 同社は2006年設立の民営企業で、16年に株式会社化した。航空機の機体設備のメンテナンスを主業務としており、軍用・民間用両方の航空機の油圧設備、燃料・空気設備、電気設備のメンテナンスサービスを提供する。また、生産ラインのカスタムデザイン、原材料サプライチェーンと原材料品質検査体系の構築、金属粉末の調製と性能変化、コールドスプレー技術パラメータの研究開発、基材のマッチング研究に取り組み、戦闘機機体構造再生分野への応用に成功している。
 
 10年以上におよび技術と経験の蓄積により、中国民用航空局、米連邦航空管理局など世界の主要な航空関連基準制定機関が発行するメンテナンス許可を取得するとともに、軍事用品業務関連資格、軍用機メンテナンス資格も得ている。
 
 今世紀半ばまでに「世界一流の近代化軍隊」保有を目標に掲げている中国では、戦闘機をはじめとする軍用機の保有数が急速に増えている。これに伴って軍用機のメンテナンス市場も拡大しており、2020年の軍用航空装備修理・再生市場規模は1486億米ドルに到達。29年には1829億ドルにまで増える見込みだ。また、中国の民間用航空機保有台数も年々増加しており、20年には3903機と前年より85機増えた。民間航空輸送規模の拡大、航空機稼働率の上昇に伴って同社が属する航空機メンテナンス業界も成長のチャンスを迎えている。
 
 同社は利用範囲が広く、熱による基材の変形や損傷が防げ、緻密な機体修復を可能とするコールドスプレー技術を開発するなど機体の修復、再生に関する高い技術力を持っていること、参入資格の厳しい国防設備メンテナンス、民間航空設備メンテナンスの資格を取得していること、航空機材修復向け積層造形技術のパイオニアであることなどを強みとする一方、経営規模が小さく、資金調達力の弱さがさらなる成長を実現する上でのボトルネックとなってきた。
 
 また、コールドスプレーに用いるアルミニウムなどの高品質な金属粉末材料や高純度ヘリウムガスを輸入に頼っており、国際情勢の変化による影響を受けやすいこと、材料コストの上昇、業界の性質上製品やサービスに対して高い品質が厳しく求められ、問題が発生した際の打撃が大きいこと、近年進む民間資本への軍機メンテナンス業務開放の流れに変化が起こる可能性があること、先にサービスを提供した後で価格を決定し取引契約を結ぶ軍事用品業界の特殊な制度により、契約価格が想定価格を下回る可能があることなどが経営上のリスクとして存在する。

 2021年12月期の売上高は1億4130万元(前期比15.36%増)、純利益は7073万元(同10.16%増)。22年1〜3月期の売上高は4272万元(前年同期比63.78%増)、純利益は2577万元(同67.43%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)