連休明けのNYではドル円がさらに上昇し136円台に乗せる。136円71銭まで買われ、先週末の日銀会合での政策据え置きが蒸し返される。ユーロドルは1.05台で推移し、ユーロ高が進んだものの大きな変化はなし。ユーロ円は144円に迫る水準まで上昇。株式市場は大幅に反発。短期的な買い戻しとの声もある中、ダウは一時700ドルを超える上昇。ナスダックは2%を超えて取引を終えた。債券は続落。長期金利は3.27%台に上昇。金は小幅に続落し、原油は反発。

5月中古住宅販売件数  → 541万戸

ドル/円    135.92 ~ 136.71
ユーロ/ドル  1.0519 ~ 1.0566
ユーロ/円   143.47 ~ 143.93
NYダウ  +641.47 → 30,530.25ドル
GOLD    -1.80 → 1,838.80ドル
WTI     +1.09 → 110.65ドル
米10年国債 +0.049 → 3.275%

【本日の注目イベント】

欧 ユーロ圏6月消費者信頼感指数(速報値)
英 5月消費者物価指数
米 パウエル・FRB議長、上院銀行委員会で証言
米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
米 バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
加 5月消費者物価指数

連休明けのNY市場ではドル円が再び買われ、136円71銭まで上昇しました。先週末に行われた日銀の金融政策決定会合で、一部の市場予想に反して政策据え置きを決定したことが蒸し返された格好です。日米金利差がさらに拡大するとの見方からドル買い円売りが加速し、さらに円はその他の主要通貨に対しても売られています。上昇を続けていたドル円は先週、135円台を付けた後131円台半ばまで押し戻され、135円台が「一旦は壁」になった節もありましたが、昨日はその水準を大きく超えたことで、再びあらたな局面入りした可能性が高いと思われます。まだ断定はできませんが、あらたなレンジである、135-140円に入ったのかもしれません。

昨日のNYでの動きは、リッチモンド連銀のバーキン総裁の発言も作用したと見られます。バーキン総裁は、当局は金融市場や経済に過度の悪影響をもたらすことなく、「可能なかぎり早いペースで利上げすべきだ」との見解を示しました。総裁は全米企業エコノミスト協会(NABE)主催のオンラインイベントで、「現在はインフレが高く、広範にわたり、根強い、そして政策金利は正常な水準を大きく下回っているという状況にある」と指摘し、「どこにも打撃を与えずに、望ましいと考える水準へと可能な限り速いペースで戻すことが重要だ」と語っています。また7月会合で0.75ポイントの利上げを支持するかどうかについては発言を控えましたが、パウエル議長が先に示した利上げ見通しについては「異存はない」と答えています。(ブルームバーグ)パウエル議長は今月の会合の後の記者会見では「次回会合では0.5か0.75ポイントの利上げが選択肢になる」との言葉を残しています。

NYでは債券は小幅に売られましたが、株式市場は大きく買われています。ダウは641ドル上昇しナスダックも270ポイント買われるなど、久しぶりに3指数が揃って大幅な上昇をみせました。ただ、多くの株式専門家の声は「短期的な買い戻しの域を出ない」というだけではなく、昨日は「3764ポイント」で取り引きを終えたS&P500が「3500」まで下げる余地があるといった声もありました。またドル円についても、米金融当局の利上げを背景に、最大でさらに5%上昇する余地がある(スタンダードチャータード)との指摘もありました。ここから5%の上昇は143円台半ばを意味し、無いとは言えませんが、まさに多くの投資家にとっては「未知の世界」ということになります。ただ一方で昨日の中古住宅販売件数のように、多くの米経済指標は下振れを示しています。特に住宅市場については、住宅ローン金利が大幅に上昇しており、若い世代を中心に金利負担の増大が重しとなり住宅購入を躊躇させています。日本でもそうですが、金利上昇局面では預金金利はなかなか上がりませんが、借り入れ金利は直ぐに上がります。先週この欄でも紹介した「米エコサプライズ指数」は昨日時点で「マイナス0.282」と、わずかな改善を見せましたが、依然記録的な低水準です。今後、どこかの時点で米経済の弱さに着目したドル安局面もあると考えていますが、その前に米インフレのピークアウトを示す兆候がどこで出るかが焦点です。

先週末の決定会合でも示されたように、日銀は引き続き大規模な金融緩和を維持していますが、その「ひずみ」が恒常的に見られるようです。10年債を中心に購入することで、同債券の利回りの上限は辛うじて「0.25%」に抑えられていますが、他の年限の利回りは上昇しています。そのため、残存8年と9年の利回りが「0.25%」を超えるといったいびつな状態になっています。さらに今月の日銀による国債の買い入れ額は際立っており、まだ6月は終わっていないのに、すでにこれまでの月より25%余り多いようです。また日銀が保有する国債の残高は、今週にも発行残高の50%を超え、日銀は「ルビコン川を渡る」とみられています。日銀が金融引き締めに政策を変えれば一気に金利が上昇し、日銀は「債務超過」に陥ると指摘されており、これが日銀が依然として大規模な金融緩和政策に固執する理由の一つだといった「うがった見方」もあるようです。

ドル円は朝方には136円83銭まで買われ、NYの高値を抜いています。「3歩前進、1歩後退」の動きが続いています。

本日のドル円は135円30銭~137円30銭程度を予想しますが、1日に動く値幅が大きく、余り参考にはなりません。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)