北京証券取引所への上場を目指している、恒進感応科技(十堰)股フェン(838670/北京)が6月22日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1700万株を発行予定で、公募価格は20元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2002年設立の民営企業で、16年に株式会社化した。ハイエンドのデジタル制御センサー熱処理設備およびその重要機能部品の研究開発、生産、販売、技術サービスを提供するハイテク企業。ミドルレンジ・ハイエンドのデジタルセンサー焼き入れ機を主力製品とし、門型、縦型、横型のラインナップを揃えている。重要機能部品は自社開発のセンサー加熱電源、焼き入れ変圧器およびセンサーなど。風力発電設備、建機、自動車製造、工作機械製造、軌道交通・船舶の建造、紡績機械、航空宇宙、軍需工業などの分野に広く利用されており、三一集団をはじめとする中国国内の大手メーカーを顧客に持つ。

 中国のデジタル制御工作機械市場規模は2017年の3030億元から20年には3473億元にまで成長した。そのうち約54%が金属切削工作機械、約29%が金属成形工作機械、約17%が特殊加工工作機械となっている。中国国 内の工作機械デジタル制御化率は07年の17.01%から20年には43.27%と大きく上昇したが、それでも日本の90%、ドイツの75%に比べるとまだまだ低く、今後も旺盛なデジタル制御工作機械の需要が期待できる。26年の市場規模は5148億元に到達する見込みだ。

 また、中国熱処理設備市場も急速に拡大しており、2015年の100億元から20年には150億元にまで成長。国内で使用されている既存の熱処理設備は老朽化が進み、性能も低いため、環境保護、カーボンニュートラルが声高に叫ばれる中で、置き換え需要が高まっているという背景もある。先進国の熱処理生産ラインにおける先進設備導入率が80%前後に達しているのに対し、中国では50%程度にとどまっており、自動化、インテリジェント化を実現したハイエンドな熱処理設備が求められている。
 
 熱処理工程は風力発電の軸受を加工する上で不可欠な工程であり、石炭や化石燃料発電に代わる新型エネルギーの柱として風力発電への注目が高まっていることも、同社にとっては大きな追い風となっており、風力発電用熱処理設備の生産、販売にも力を入れている。
 
 同社はこれまでに104件の特許を取得するなど高い技術開発力を持つほか、中国熱処理業界団体の理事企業となるなど業界において一定の影響力を持っていること、熱処理分野に熟練した専門人材を豊富に揃えていること、市場におけるブランド認知度の高さ、外国メーカーに比べて中国国内の顧客に対して迅速なサービスが提供できることなどを強みとしている。一方で、経営規模が小さく、資金調達力が弱いためにさらなる成長が難しくなっていることが課題となっていた。
 
 また、売上のほとんどが風力発電、工作機械、自動車製造分野で占められており、川下市場の開拓が進んでいないこと、市場競争が加速していること、デジタル制御システムユニットの調達を独シーメンスに依存し、国内調達が進んでいないことなどがリスクとして存在する。

 2021年12月期の売上高は1億4129万元(前期比43.24%増)、純利益は5434万元(同49.80%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)