深セン証券取引所のメインボードへの上場を目指す、広東揚山聯合精密製造(001268/深セン)が6月21日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2698万株を発行予定で、公募価格は20日に発表する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2003年に陽山県聯合鋳鍛有限公司として設立した民営企業で、18年に株式会社化して現社名となった。精密機械部品の研究開発、生産、販売を主業務としており、ピストン、ベアリング、エアシリンダー、クランクシャフトなどが主力製品で、空調用コンプレッサー、冷蔵庫用コンプレッサー、自動車部品など幅広い分野で利用されている。空調用コンプレッサー向け製品は美的、格力、上海海立の中国3大メーカーに、冷蔵庫用コンプレッサーも長虹華意、万宝といった中国国内トップ5メーカーに供給しており、電子レンジの世界大手で広東省に本社を置くギャランツ(格蘭仕)のサプライチェーンにも参入している。

 中国では都市化率の上昇、国民生活レベルの向上に伴い白物家電産業が急速に発展し、中でもエアコンは飛躍的な成長を遂げてきた。2021年の中国におけるエアコンの総生産台数は2億1835万台で、20年前の9.44倍となった。これに伴い回転式コンプレッサーの中国国内販売量も安定的に成長、18年には2億台を突破した。また、冷蔵庫の中国国内生産台数は2020年、21年と約9000万台で推移している。冷蔵庫の大型化により使用するコンプレッサーの数が増えていることで、コンプレッサーの販売台数は年々増加しており、20年には2億1100万台となっている。
 
 さらに、自動車分野では、中国における自動車の生産台数こそ2017年をピークとして減少したものの、各種部品の国産化が進んだことで、21年の各種部品の売上高はそれまで最多だった17年を上回った。部品の国産化トレンドに新エネルギー車へシフトする流れも相まって、中国製自動車部品市場は今後もさらなる拡大が見込まれる。
 
 同社はハイレベルな生産技術、高い品質管理力、確かな研究開発、設計力によりエアコンや冷蔵庫の主要メーカーと良好な関係を築いていること、金型の設計、鋳造、精密加工を一体化した生産体制を確保していることなどを強みとしている一方で、既存の生産能力稼働率がすでに90%を超えていること、資金力不足が会社のさらなる成長、発展を目指す上で大きなボトルネックとなっている。また、市場の成長と国による支援により業界内で生産規模拡大や研究開発投資が進み、競争が激しくなる見込みであること、原料である鋼材価格の高騰といった経営リスクを抱えている。

 2021年12月期の売上高は6億5223万元(前期比44.49%増)、純利益は9165万元(同8.50%増)。22年1〜3月期の売上高は1億7511万元(前年同期比8.09%増)、純利益は2364万元(同9.38%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)