ドル円は再び上昇し、NYでは135円48銭まで買われ、1998年10月以来となるドル高を記録。5月のPPIが高水準だったことや、米長期金利が一段高となったことに反応。ユーロドルは下値を試す動きが続いたが、前日同様1.04近辺で下げ止まる。株式市場はまちまち。ダウとS&P500は続落したが、ナスダックには買いが入り、小幅高で引ける。債券は大幅続落。長期金利は3.49%台まで上昇し、3.47%台で取引を終える。金と原油は売られる。


5月生産者物価指数     →  0.8%

ドル/円    134.25 ~ 135.48
ユーロ/ドル  1.0400 ~ 1.0468
ユーロ/円   140.07 ~ 141.14
NYダウ  ―151.91 → 30,364.83ドル
GOLD   ―18.30 → 1,813.50ドル
WTI     ―2.00 → 118.93ドル
米10年国債 +0.113 → 3.735%

【本日の注目イベント】

豪 6月ウエストパック消費者信頼感指数
中 5月小売売上高
中 5月鉱工業生産
独 4月貿易収支
欧 ユーロ圏4月鉱工業生産
欧 ラガルド・ECB総裁講演
米 5月小売売上高
米 5月輸入物価指数
米 6月NY連銀製造業景況指数
米 6月NAHB住宅市場指数
米 FOMC 政策金利発表
米 パウエル議長記者会見
米 下院特別委員会、議事堂襲撃事件公聴会

米長期金利が連日10ベーシスポイントから20ベーシスポイント上昇し、昨日は一時3.49%まで上昇しています。昨年末の水準が1.51%だったことを考えると、すでに倍以上になったことになります。インフレが加速し、FRBは大幅利上げを余儀なくされるとの見方から、手持ちの米国債を売る動きが止まらないことが背景です。5月の生産者物価指数(PPI)は前月比で「0.8%」と、市場予想と一致していましたが、依然として高水準です。

昨日からFOMCが開催され、明日の朝方には政策金利が発表されますが、「0.5ポイントの利上げ」の可能性は低下し、「0.75%」が有力かと考えています。ウォール街の一角では、「FOMCでは40年ぶりの高いインフレを制御しようと、極端な政策に打って出る可能性があるとの見方も浮上しており、一部では1ポイントの利上げが議題に上るとの見方もささやかれている」、「FOMCでは後手に回っているという印象を払拭しようとするだろう。6カ月前、50というのは大きくて切りのいい数字だった。一方で75は非常に中途半端な引き上げに見える。従ってFOMCでは『コミットメントを示したいなら、思い切って100にしようじゃないか』といった話し合いになるかもしれない」とブルームバーグは、チャータードバンクのグローバル責任者の談話を紹介しています。明日朝方の発表で、1ポイントの利上げであれば「サプライズ」として受け止められ、株安、金利高、ドル高が一段と進む可能性があると予想します。一方、0.5ポイントの利上げでは期待外れからドルが売られ、株価は上昇するかもしれませんが、難しいのは予想通り0.75ポイントの利上げだった場合です。想定通りだったとして、利益確定の売りに押される可能性もないとは言えません。その場合は、30分後に行われるパウエル議長の会見がカギになりそうです。FRBとしてはインフレ阻止に向けた強い意志を示さなければならない一方、ここまで株価が下がると個人消費に大きな影響が出る可能性もあり、その辺りをどのようにコントロールするのか、なかなか「さじ加減」が難しい局面です。パウエル議長は、これまでに見せたことのない程の強い姿勢を示すのではないか予想していますが、議長の腕の見せ所です。

ドル円は米長期金利の上昇に呼応する形でNYでは135円48銭まで上昇し、24年ぶりの高値を示現し、今朝は135円60銭まで続伸しています。1998年10月には136円90銭前後まで上昇し、その前の9月には139円90銭辺りもありました。ただこの時はその前の年に147円台までドルが買われ、天井を付けた後の下落局面でした。足元の状況とは異なっています。因みに1998年10月の米長期金利の水準は4.4~4.5%程度で、足元の金利よりも1.0ポイント程高かったことになります。

バイデン大統領は14日、フィラデルフィアで開かれた会合で、リセッション入りを示すシグナルの中でも米経済の見通しは力強いと述べています。バイデン氏は、「米経済の新たな基盤を築くことでわれわれは異例の進展を遂げていると確信しており、世界的にインフレが後退し始めればそれが明らかになる。私は今ほど米国に関して楽観的になったことはない。それは確かだ」と語っています。高インフレが続く中、聴衆を不安にさせないためのポーズとも受け止められますが、今後中間選挙に向け、このような演説が増えてくるのでしょう。

ロシア軍は依然として攻撃の手を緩めることなく、ウクライナ東部セベロドネツクで激しい攻撃を続けています。ゼレンスキー大統領は、同盟諸国が先進兵器の供給を加速させなければ戦争は膠着状態に陥る恐れがあると危機感を示し、東部の戦闘は「極めて熾烈だ」と述べ、早急な武器の提供を訴えています。ロシアは兵士と兵器を全国土から集めているとみられ、極東を拠点とする旧型戦車まで引っ張り出して来ているとの報道もあります。ロシアがウクライナ侵攻を開始して間もなく4カ月になろうとしています。為替が大きく動いていることもありますが、ウクライナ戦争に関する情報は、以前に比べ減っているように思えます。

FOMCの政策発表は明日の朝方3時に予定されています。結果次第で相場は大きく上下することが予想されますので、本日のドル円は134円~136円程と、ワイドです。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)