上海証券取引所の科創板に上場している、貴州振華新材料(688707/上海)が6月13日、第三者割当増資を実施して最大60億元を調達してリチウムイオン電池材料プロジェクトに投資する計画を発表した。
 
 同社は2004年設立の国有企業で、21年9月に上海科創板に上場した。三元系電池正極材料の研究開発、生産、販売を主業務としており、三元系正極材料、コバルト酸リチウム、複合体三元材料が主力製品である。21年における三元系正極材料の出荷量ベースの国内市場シェアは8%で業界5位、世界シェアは5%となっている。特に大型の単結晶一次粒子では国内市場をリードする技術を持っており、21年1〜11月における中国国内の単結晶三元系正極材料シェア(生産量ベース)は26%で業界トップである。
 
 2021年12月期の売上高は55億1490万元(前期比432.07%増)、純利益は4億1257万元(前期は1億6954万元の純損失)。22年1〜3月期の売上高は25億7908万元(前年同期比161.40%増)、純利益は3億4243万元(同345.35%増)。
 
 公告によれば、同社は最大35組の特定対象に対して最大約1億3288万株を発行し、最大で60億元を調達する。調達予定の60億元のうち、75%の45億元を正極材料生産ライン建設プロジェクトに用い、残りの15億元を流動資金に充てる予定だ。建設予定の生産ラインでは高ニッケル・中高ニッケル・中ニッケル含有三元系正極材料、ナトリウムイオン電池との互換性を持つ正極材料を生産し、新エネルギー車用電池およびエネルギー貯留用電池産業が急速に発展する中で生産規模を拡大し、会社の経営能力、利益能力を高める。
 
 また、2021年末現在で同社が持つ3.7万トンの生産能力がほぼフル稼働状態となっており、増加する顧客からの注文に対応していく上で生産能力拡大が急務となっている。今回の増資により生産規模を拡大し、既存の顧客との関係を維持するとともにさらに多くの顧客開拓も目指す。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)