東京時間の午後3時過ぎに133円まで円売りが進んだが、NYでは一服。米長期金利が低下したこともあり、132円33銭までドルが売られる。ユーロドルは小幅に下落。1.0653辺りまで売られたが、ユーロ円は142円台まで上昇。株式市場は、朝方は下落で始まったものの、長期金利の上昇が一服だったことで上昇に転じる。3指数は揃って続伸。前日大きく売られた債券は反発。長期金利は2.97%台へと低下。金と原油は揃って反発。

4月貿易収支    → -87.1b
4月消費者信用残高 → 38.069b

ドル/円    132.33 ~ 132.90
ユーロ/ドル  1.0653 ~ 1.0713
ユーロ/円   141.38 ~ 142.06
NYダウ  +264.36 → 33,180.14ドル
GOLD    +8.40 → 1,852.10ドル
WTI     +0.91 → 119.41ドル
米10年国債 -0.066 → 2.974%

【本日の注目イベント】

日 4月貿易収支
日 4月国際収支
日 5月景気ウオッチャー調査
日 1-3月GDP
独 4月鉱工業生産
欧 ユーロ圏1-3月期GDP(確定値)
欧 ロシア外相、トルコ訪問(8日まで)

ドル円は昨日の午後3時すぎ、ついに133円まで上昇し、連日1円以上の上昇幅を記録しています。前日の黒田総裁の発言がかなり意識されたようで、昨日朝にはワイドショーでもその発言を巡り喧喧囂囂の議論が見られました。主要国が次々と利上げ実施を発表する中、日銀だけがその流れに逆行する動きを見せていることで、一気に円売りが加速しています。昨日133円台まで上昇した後の、専門家のコメントはほぼ全員「円売りがさらに進む」、「140円を目指す」といったもので、中には「円安の流れは2023年も続く」といったコメントもありました。

今朝の日経新聞でも、「円キャリー取引復活の兆し」と題して、FX勢に円売り余力があることを伝えています。株式市場でもそうですが、日経新聞がその話題を取り上げたら、「そこが天井であり、底値である」といったアノマリーがあります。ドル円は上昇傾向を維持するとの相場観は持っていますが、ここまで「円安がさらに加速するといった見方一色」に傾くと、やや警戒感を抱かざるを得ません。昨日のNY市場では円売りの勢いはやや一服でした。米長期金利が前日の3%台から低下したことでドル上昇の勢いにブレーキがかかったようですが、NYオープン前にすでに大きく上昇していたことを考えると、当然と言えます。ただ、主要通貨間での円安トレンドは変わっていません。

オーストラリア準備銀行(RBA)は予想通り政策金利の引き上げを決定しました。キャッシュ・レート誘導目標を0.5ポイント引き上げ0.85%にしました。豪ドル円は96円台まで買われ、2015年6月以来7年ぶりの高水準を付けています。「ドル円が20年ぶりの安値」、「ユーロ円は7年5カ月ぶりの高値」といった状況ですから、特段驚きはありませんが、極端な円安が続き、輸入物価は今後さらに上昇する公算が高いと思われます。この円安を止めるには、米国のインフレがピークを付け鈍化する兆候を見せるか、あるいは、日銀が大規模な金融緩和政策から舵を切り直し、引き締めに転換するしかないように思います。ただ無制限の指し値オペを修正すれば、長期金利が急上昇する可能性が高く財政を圧迫することになります。その先にあるのは、今度は日本の財政の悪化に耳目が集まり、それが円売り材料と見なされるといったリスクです。もっとも、その時は単に「円売り」ということではなく、「日本売り」といった事態になるかもしれません。

世界銀行は7日、今年の世界経済成長予想をさらに引き下げ、平均以上のインフレと平均以下の成長が数年続き、低中所得国・地域を不安定化させるリスクがあると警告しています。世銀は今年の成長率を「2.9%」と予想しました。4月時点では「3.2%」、1月時点では「4.1%」と見込んでいましたが、予想の引き下げが続いています。マルパス総裁は、「世界経済は再び危険な状態にある」と指摘し、「高インフレと低成長に同時に見舞われている。世界的なリセッションが回避できたとしても、大幅な供給増加が始まらなければスタグフレーションの痛みは数年続く可能性がある」との見通しを発表しています。(ブルームバーグ)

イエレン財務長官は7日、上院財政委員会の公聴会で、インフレは高い状態が続く可能性が高いと述べ、2021年に高インフレは長期化しないと予想したのは、自分もパウエル議長も間違っていたとあらためて認めています。長官は、「おそらく私たちはいずれも、『一過性』より良い表現を使えたはずだ」と話し、「強いインフレ圧力があることに疑いの余地はなく、インフレが現時点で最大の経済問題であること、それに対処することが極めて重要であることは間違いない」と述べています。また、「インフレは高い状態が続くと想定しているが、低下に向うことを強く願っている」とも述べていました。

ロシアのショイグ国防相は、ウクライナ東部ドンバス地方にある二つの州のうちルガンスク州の97%をロシア軍が掌握したと主張しています。一方ゼレンスキー大統領は、ウクライナ軍によるロシア占領地の解放は武器と人的資源の不足で鈍っていると、フィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで語っています。反転攻勢に出るため、さらに武器の支援を欧米に要請しており、「ロシア軍を侵攻開始前の位置まで押し戻したとしても、一時的な勝利に過ぎず、ウクライナは領土の全てを取り戻さなければならない」と語っています。ただ、一方ではロシアのプーチン氏とは交渉の可能性は捨てていないとの立場を示しています。

上でも述べたように、ドル円はこの先一段と上昇するのか、あるいは日経新聞のアノマリーが見られるのか、ここからの動きに注目です。本日のドル円は132円~133円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)