ドル円はNY市場が休場の中、小動きながら堅調に推移。127円83銭まで買われ、約1週間ぶりに127円台半ばを超える。ユーロドルは続伸。1.0787まで上昇。7月の利上げに加え、スペインのCPIや9月の利上げを支持する報道が支えに。欧州株式市場ではFT、DAX、CACなどが1カ月ぶりの高値に。原油価格は続伸し、117ドル台に。


ドル/円  127.24 ~ 127.83

ユーロ/ドル 1.0740 ~ 1.0787

ユーロ/円  136.76 ~ 137.66

NYダウ ------- → 33,212.96ドル

GOLD   ------ → 1,857.30ドル.

WTI +2.13 → 117.20ドル
 
米10年国債  ------ → 2.738%


本日の注目イベント

独   独4月輸入物価指数
豪   豪1-3月期経常収支
豪   豪4月住宅建設許可件数
日   4月失業率
中   5月中国製造業PMI
中   5月中国サービス業PMI
独   独5月失業率
欧   ユーロ圏5月消費者物価指数(速報値)
英   英4月消費者信用残高
米   3月FHFA住宅価格指数
米   3月ケース・シラ-住宅価格指数
米   バイデン大統領、FRB議長と会合

 昨日のドル円は、いつものように東京時間朝方には127円を割り込み、126円86銭まで売られましたが、その後は127円台を回復したものの、上値の重い展開が続きました。日経平均株価が大きく買われ、リスクオンが進み、円が売られ易い状況だったにもかかわらず、127円台前半では「蓋をされた」状況でした。しかし海外市場ではこれまでの動きとは異なり、127円台半ばを抜け、127円83銭までドル高が進み、5月24日以来となる127円台後半までドルが買われました。相場のセンチメントが一夜にして変わったとは言いませんが、再びインフレ懸念が台頭してきたことがドルを押し上げたとみられます。昨日はNY市場が休みだったため、米長期金利の動きはありませんでしたが、今夜のNYでは長期金利が上昇すると予想します。

 FRBのウォラー理事は、インフレが米金融当局の目標に向って緩和されるまで0.5ポイントずつ利上げしていくことを望むと述べました。ウォラー理事はフランクフルトのイベントに出席し、「数回の会合でさらに50ベーシスポイントの引き締めを支持する」と述べ、「具体的にはインフレ率が当局の目標である2%に近づくまで沈静化しない限り、50bpの利上げを選択肢から排除しない」との考えを示しました。高インフレは国民の不満を招いており、中間選挙を控え、バイデン政権の支持率にも影響しているとみられます。バイデン大統領は今夜、パウエル議長と会合を持つことになっており、政治的圧力もないとは言えない状況です。市場の観測では6、7月の0.5ポイントの利上げは既に「確定」しているとみており、焦点はその次の会合である9月のFOMCで、利上げがあるかどうかに移っています。少なくとも、昨日までの見方では、0.25ポイントの利上げ、もしくは見送りといった選択肢が想定されており、どちらかと言えば「見送り」が優勢な状況でした。昨日のウォラー理事の発言に加え、WTI原油先物市場では原油価格がさらに上昇し、117ドル台まで買われていることも、インフレ率は簡単には鈍化しないことを示唆しており、ドル高に一役買ったようです。北海ブレント原油は121ドル台で取引を終えています。

 普段余り注目されませんが、スペインの5月のCPIが「8.5%」と前月を上回ったことで、ECBに対する利上げ圧力が一段と強まりました。ECBのチーフエコノミストであるレーン理事はインタビューで、「正常化は25ベーシスポイント単位の利上げが自然な焦点だ。7月と9月の25bp利上げが基準のペースだ」と語り、「これ以外の動きについての議論は7月や9月にこれより大幅な利上げをする根拠を示さなければならない」と述べ、ラガルド総裁と同様の考えを示しました。

 これまで重かった127円台半ばが一旦上抜けしたことで、ややドル上昇の余地が出てきた印象です。ただ、昨夜のウォラー理事の発言だけでドル高を予想するのは早計です。今後も物価上昇に関するデータを見極める必要がありますが、急速に買い戻しが進んだ株式市場の動きも重要です。また、バイデン大統領とパウエル議長の会合も気になるところです。

本日のドル円は127円20銭~128円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)