ドル円は上値の重さは相変わらずだが、株価が大きく上昇したことから円売りも続き、底堅く推移。この日のドル高値は127円25銭。ユーロドルは小幅に反発。NYでは終始1.07台で推移し、1.0750まで上昇。株式市場はほぼ全面高。ダウは575ドル上昇し、6日続伸。アップルなどのハイテク株も大きく買われ、ナスダックは390ポイント高。債券はこの日も小動きで横ばい。長期金利は2.73%台で推移。金は続伸。原油も3日続伸で115ドル台に乗せる。

4月個人所得               → 0.4%
4月個人支出               → 0.9%
4月PCEデフレータ           → 6.3%
4月PCEコア・デフレータ        → 4.9%
5月ミシガン大学消費者マインド(確定値) → 58.4

ドル/円    126.82 ~ 127.25
ユーロ/ドル  1.0701 ~ 1.0750
ユーロ/円   135.87 ~ 136.46
NYダウ  +575.77 → 33,212.96ドル
GOLD    +3.40 → 1,857.30ドル
WTI     +0.98 → 115.07ドル
米10年国債 -0.009 → 2.738%

【本日の注目イベント】

独 4月輸入物価指数
独 5月消費者物価指数(速報値)
欧 ユーロ圏5月景況感指数
欧 EU首脳特別会合(ブリュッセル、31日まで)
欧 ユーロ圏5月消費者信頼感指数
欧 ユーロ圏5月消費者信頼感指数(確定値)
米 休場(メモリアルデー)

ドル円は依然として上値が重く、先週末のNYでも株価が大きく上昇し、リスクオンが進む流れだったにもかかわらず、127円25銭止まりでした。ユーロドルでややドル安が進んだこともありますが、米長期金利がこれまでの動きとは異なり2.7~2.8%台で落ち着いてきたことが大きな要因かと考えます。株価が急速に出直ってきていることで、債券が売られ、長期金利が上昇してもおかしくはない状況ですが、反応は見られません。その背景には、「米インフレはピークを越えたのでは?」との観測が高まり、FRBは今後急速な引き締めは行わないといった見方が徐々に増えてきたことがあります。先週末に発表された4月のPCEデフレータは年率で「6.3%」と、3月の「6.6%」から低下しており、コア・デフレータでも「4.9%」と、先月の「5.2%」から鈍化しており、米インフレがピークを付けた可能性は否定できません。もっとも、だからと言って米インフレが急低下することはなく、当面は高水準が続くと思われます。

経済データ面からは明らかに米景気の鈍化が窺えます。S&Pグローバルの集計する製造業PMIやサービス業PMI、5月のフィラデルフィア連銀景況感指数、さらには住宅着工件数など、多くの指標が米景気の下振れを示してきました。そのため、6、7月のFOMCでの0.5ポイントの利上げ観測は不変としても、9月の会合では「利上げを見送る」との見方も台頭してきました。実際には、さらに今後の経済データを確認する必要がありますが、市場のタカ派観測が急速にしぼむようだと、ドルの上値が徐々に切り下がり、円買いが一気に進むことも想定され、注意は必要です。WTI原油価格が引け値で115ドル台で終わるのは、3月初旬以来のこととなり、インフレ懸念はまだ払拭できないと考えますが、市場が常に先を読むことは、今に始まったことではありません。今後の焦点は、「米インフレが本当にピークを越えたのかどうかを確認する」といった点になろうかと思います。

NY株式市場の戻りが勢いを増しています。ダウは6連騰で、ここ2日は連日で500ドルを超える上昇を見せています。この間の上昇幅は2000ドルに迫り、3月あたりから始まった大幅な下げ幅の半分ほど回復したことになります。多くの機関投資家が基本としている、S&P500も20日の安値から9%上昇し、この10年で最も長い週間ベースでの下落局面から脱し、2020年以来の大幅な上昇を記録しました。(ブルームバーグ)下落が続いたことで、1株あたりに当期利益の何倍まで買われているかを示す「PER」が大きく低下し、割高感が薄れたとの指摘がある一方、「まだ底入れ感がない」といった声もあるようです。為替に比べ、1日の値幅も大きく乱高下を繰り返しているNY株の動きが、再び為替にも影響を与える局面が来るとみています。

ロシア軍は集中砲撃などの猛攻によりウクライナ東部で着実に前進し、ルハンスク州のほぼ全域を制圧した模様です。ゼレンスキー大統領は28日夜のテレビ演説で、「表現できないほど厳しい。ウクライナ軍は持ちこたえている」と厳しい表情で述べていました。また、ロシアのウクライナ侵攻100日が近づく中、「(ロシアは)少なくとも何らかの戦果を強引にでも得ようとしている」とも述べています。ゼレンスキー氏は本日から行われる「EU首脳特別会議」で演説を行う予定です。フランスのマクロン大統領とドイツのショルツ首相は28日、ロシアのプーチン氏と80分間にわたり電話会談を行い、停戦とロシアによる捕虜解放、ウクライナ産穀物の輸出を可能にする南部オデーサの封鎖解除を求めましたが、プーチン氏からは明確な返事はないようです。

トルコ中銀は26日、政策金利の据え置きを決めました。高インフレが続く中、同中銀はこれで、5カ月連続で金利を据え置いています。エルドアン大統領はイスタンブールで実業界のグループに対し、「指標金利とインフレの関連性を押し付けようとしてくる人々は無学か売国奴だ」と主張し、「ロンドンやNYから世界を見ることにしか能のない人々のむやみな話に注意を向ける必要はない」と続けました。(ブルームバーグ)トルコのインフレ率は今や70%と、中銀が公式に目標とする水準を14倍上回る水準にまで物価上昇が進んでいます。

本日のドル円は126円50銭~127円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)