北京証券取引所への上場を目指している、陝西天潤科技(430564/北京)が5月30日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1836万株を発行予定で、公募価格は8.05元。公募終了後、速やかに上場する予定だ。
 
 同社は1999年設立の民営企業で、12年に株式会社化した。地理情報の開発、応用を柱とし、リモートセンシング技術、衛星測位技術、先進的なデータ処理技術・情報化技術を利用して、新型のスマート都市建設、天然資源調査・モニタリング、整体環境保護、国土空間計画、公共セキュリティ・緊急対応保障、社会末端のガバナンス、エネルギー開発・利用といった分野で高品質な空間情報製品やシステム開発技術サービスを提供している。21年中国地理情報産業100強企業に選ばれており、2019年におけるリモートセンシング・地理情報データ測量サービスの中国市場シェアは0.06%、20年の空間情報システム市場シェアは0.22%となっている。
 
 中国では都市人口の増加、都市化率の上昇に伴い、スマートシティ建設が加速している。2013年に住宅都市農村建設部が初めて国家スマートシティ試行都市90都市を選定して以降、20年には900都市以上でスマートシティ化のテスト運営が行われている。20年のスマートシティ建設投資額は259億米ドルと前年比12.7%増となった。新たなスマート技術に基づくスマート農業、スマート交通、スマート工業、スマートサービス業などのスマート都市産業が今後ますます発展し、同社の技術を応用する場が一層増えるものとみられる。

 また、地理情報分野は2020年の世界市場規模が4392億ドルで、25年には5491億ドルまで成長する見込みであり、世界的な発展が見込まれている。中でも中国市場の発展は目覚ましく、15年には3600億元だった市場規模が20億6890億元にまで成長した。地理情報産業はいまや中国のデジタル経済の重要な一部となっており、今後はより性能や品質や効率の高い製品やサービスの提供が求められそうだ。さらに、リモートセンシングによる測量サービスの市場規模も年間10%以上のペースで成長しており、今後応用範囲がさらに広がることで、市場の一層の拡大が期待できる。
 
 同社は20年あまりにおよぶ経験や技術の蓄積、全国規模の業務展開、優秀な管理人材と技術人材、地理情報の収集から、処理、応用までの一体化ソリューションプランを提供できることなどを強みとする一方で、製品・サービス体系のさらなる拡大、業務規模の拡大、業界83位という市場における地位の向上、空間情報分析サービスの強化といった課題を抱えている。また、参入企業が非常に多く市場競争がますます激化していること、行政による都市計画に依存していること、国家機密に関わる地理情報の扱いが難しいことなどのリスクも存在する。
 
 2021年12月期の売上高は2億1856万元(前期比13.43%減)、純利益は1億3622万元(同28.81%増)。22年1〜3月期の業績予測は売上高が3600万〜3900万元(前年同期比4.12〜11.50%減)、純利益が250万〜320万元(同74.14〜122.90%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)