上海証券取引所の科創板への上場を目指している、昱能科技(688348/上海)が5月27日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2000万株を発行予定で、公募価格は163元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2010年設立の民営企業で、20年に株式会社化した。太陽光発電の新エネルギー分野に特化し、分散型太陽光発電システムの電力・電子設備の研究開発、生産、販売を主業務としている。主な製品は、売上の8割前後を占めるマイクロインバーター、インテリジェント制御シャットダウン装置、エネルギー量通信装置。国内外の100あまりの認証を取得しており、製品は中国国内のほかに米国、欧州、オーストラリアなど90あまりの国、地域で販売されている。20年におけるマイクロインバーター出荷量は世界で2位、中国で1位だ。
 
 脱炭素化社会に向けた取り組みが地球規模で進むなか、有力な新エネルギーの1つである太陽光発電産業は急速に成長している。技術の開発に伴い、発電装置設置コストが大きく低下したことも、太陽光発電量加速の一要因だ。2019年における世界の太陽光発電設備新規設置量は111.6ギガワットで、20年には130ギガワット、21年には170ギガワットに増えた。今後もハイペースで成長する見込みで、30年には低く見積もっても300ギガワットを超えると予測されている。

 太陽光発電産業は中国が国際競争力を持ち、世界をリードする位置に立てる戦略的新興産業と位置づけられ、中国のエネルギー革命を推進する重要な原動力となっている。産業規模、技術力、市場規模、産業体系づくりなどいずれをとっても世界トップクラスだ。2021年の太陽光発電設備新規設置量は前年比13.9%増の54.88ギガワットで、世界のおよそ3分の1を占めている。27年には低く見積もっても100ギガワットに到達する見込みだ。
 
 同社は研究開発力の高さ、世界の主要国・地域の製品認証を受けていること、米国、オランダ、オーストラリア、メキシコなどに子会社を設置し、早い時期からグローバル経営、ローカライズ戦略を進めてきたこと、世界的に高いブランド知名度を持つことなどを強みとしている。一方で、市場拡大に合わせて成長していくためには上場により資金調達力を高め、経営規模を大きくすることが必要だ。また、将来的に太陽光発電の普及が進んだ際に政府の助成が減少あるいは打ち切りとなる可能性、市場競争の加速、主力製品であるマイクロインバーターの中国国内市場が開拓できていないこと、売上の97%以上を海外販売を占める中での米中貿易摩擦や海上輸送費上昇、半導体をはじめとする原料価格の上昇といった点がリスク要素として存在する。

 2021年12月期の売上高は6億6496万元(前期比35.85%増)、純利益は1億292万元(同33.99%増)。22年1〜3月期の売上高は1億7356万元(前年同期比51.61%増)、純利益は3072万元(同123.87%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)