ドル円は128円を挟みもみ合う。米長期金利が低下したことで127円60銭まで売られたが、勢いはなく128円手前まで反発。ユーロドルは1.05台で推移。7月利上げの可能性が高まるものの、景気減速懸念から上値も限定的。株式市場はまちまち。ダウは一時600ドル下げる場面もあったが、その後急回復し、プラスで引ける。ナスダックは33ポイント下げ、年初来安値を更新。債券は続伸。長期金利は2.78%台に低下。金と原油は中国情勢を手掛かりに続伸。

ドル/円    127.60 ~ 128.24
ユーロ/ドル  1.0533 ~ 1.0580
ユーロ/円   134.58 ~ 135.40
NYダウ    +8.77 → 31,261.90ドル
GOLD    +0.90 → 1,842.10ドル.
WTI     +1.02 →  113.23ドル
米10年国債 -0.056 → 2.781%

【本日の注目イベント】

日   日米首脳会談
トルコ 4月消費者物価指数
独   5月ifo景況感指数
欧   ベイリー・BOE総裁講演(ウイーン)
欧   世界経済フォーラム年次総会(ダボス)
米   ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
米   ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演

昨日の午後バイデン大統領は韓国の訪問を終え、大統領専用機「エアフォース・ワン」で米軍横田基地に到着しました。バイデン氏の訪日は大統領就任後初めてとなり、本日岸田首相と首脳会談を行います。会談では「ウクライナ支援問題」や「中国問題」など、議題も多い中、日本は防衛費の増額を表明するとみられています。ウクラナ問題をきっかけに、政府与党内では「防衛費をGDPの2%以上に」との議論が活発となり、岸田首相は具体的な額には言及しないまでも、日本の防衛費を増額する意向を表明するものとみられます。

ウクライナではマリウポリをほぼロシアに掌握されましたが、戦闘は続いており、ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアに対する対抗姿勢をやや変えた可能性があります。これまで、クリミア半島奪回が勝利の証だといった表現を行っていましたが、日経新聞によると、「ロシア軍を2月24日の侵攻以前の地点まで押し戻せば、ウクライナにとって勝利となる」と述べ、クリミア半島奪回は目指さないとの考えを示唆しているようです。その背景には、最大で1日当たり100人もの兵士が毎日命を落としている現状を踏まえて、ウクライナの兵士の命をより多く救うためにも、「戦争は外交を通じて終結することになる」と語っています。当初、徹底抗戦の構えを見せていたゼレンスキー大統領も、戦争終結が第一との考えに傾いてきたのかもしれません。戦争は、明日で3カ月になります。一方米国は21日、バイデン大統領が総額約400億ドル(約5兆1150億円)規模のウクライナ支援法に署名し、法案が成立しました。

セントルイス連銀のブラード総裁は20日、FOXビジネスのインタビューで、「私は年末までに(FF金利を)3.5%に引き上げるべきだと述べてきた。これは一部同僚が考えるより高い水準だ」とし、「より前倒しし、インフレとインフレ期待を制御できれば、それだけ状況の改善も進む。23、24年にはインフレがしっかり制御され、政策金利を引き下げることもあり得る」と語っています。(ブルームバーグ)今回の局面で、「政策金利引き下げ」のタイミングにまで言及したのは、ブラード総裁が初めてですが、今年積極的な利上げを行っても、果たして来年にはインフレが収まり、利下げを議論する機会が来るのでしょうか。やや楽観的な感じもしますが、同総裁は、今回のインフレが加速する過程でもいち早く「大幅な利上げを行うべきだ」と早くから警鐘をならしており、結局FRBは同総裁の言及に追随した形となっただけに、あなどれないかもしれません。

日本の4月の生鮮食料品を除く消費者物価指数は年率で「2.1%」でした。7年ぶりの高水準に達したことで、日銀が現行の金融政策を「修正」するのではないかといった観測も広がり、発表直後にはやや円が買い戻される局面もありましたが、G7後の記者会見で黒田総裁は、安定的な2%ではない。現行のイールド・カーブ・コントロール(YCC)を軸に緩和を続ける意向を示しました。黒田総裁は、「物価上昇の要因は、国際商品市況を中心とした輸入物価の上昇であり、交易条件の悪化によって国民所得が流出し、経済を下押しする」と指摘。「マイナス金利を含む現行のYCC政策を軸とした強力な金融緩和策を粘り強く続け、経済の回復をしっかりサポートすることが重要だ」と述べています。ただ市場では、今後も物価上昇が続くようなら、現行の政策の「修正」を行う可能性が高く、現在10年債の金利を基準としているものを、5年債に変更するのではといった観測が有力だと予想しています。

7月の政策会合で利上げの可能性が高まって来たユーロ圏ですが、ラガルドECB総裁は、「7-9月始めに資産購入を終了した後で、われわれはその後ある時点で利上げを行い、それは数週間後かもしれない」と語り、0.5ポイントの利上げに関しては、「現時点で何か言えることではない」と語っています。政策メンバーのクノット・オランダ中銀総裁はデータ次第では0.5ポイントの利上げが正当化されるかもしれないとの考えを示していました。

本日のドル円は127円20銭~128円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)