ドル円は大幅下落。米長期金利が10ベーシス・ポイントの低下を見せたことで128円01銭まで売られる。ユーロドルではややドル高に振れ、1.0460までユーロ安に。株式市場は大幅安。インフレや企業業績への懸念が強まり、ダウは1164ドル安と、今年最大の下げ幅を記録。他の指数も大きく下げ、全面安の展開に。債券は急反発。長期金利は2.88%台へと急低下。金は反落し、原油は続落。

4月住宅着工件数    → 172.4万件
4月建設許可件数    → 181.9万件


ドル/円  128.01 ~ 129.13
ユーロ/ドル 1.0460 ~ 1.0541
ユーロ/円  134.07 ~ 135.88
NYダウ -1,164.52 → 31,490.07ドル
GOLD   -3.00 → 1,815.90ドル.
WTI    -2.81 →  109.59ドル 
米10年国債  -0.102 → 2.884%


【本日の注目イベント】

豪   豪4月雇用統計
日   4月貿易収支
欧   ユーロ圏3月経常収支
欧   ECB議事要旨(4月会合分)
米   新規失業保険申請件数
米   5月フィラデルフィア連銀景況指数
米   4月中古住宅販売件数
米   4月景気先行指標総合指数
米   カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、講演会に参加
米   バイデン大統領、スウェーデン、フィンランド両首相と会談

 NY株式市場が大きく下げ、ダウとS&P500は年初来安値を更新しました。ダウは一時1200ドルを超える下げとなり、引け値ではやや戻したものの、この日の安値圏で取引を終えています。小売り大手「ターゲット」や「ウォルマート」株を中心に、消費関連株が下げをけん引し、ハイテク株も一段安となっていまます。「リスク回避の円買い」といった声がNYからは聞こえています。ただ、ユーロドルなどではドル高が進み、円とドルが買われたことになります。当然ですが、クロス円は軒並み大幅安となり、その意味では「リスク回避の円買い」がやや戻ってきたのかもしれません。「避難通貨としての円」や「円は安全通貨」、「有事の円買い」といった修飾語が全く通じなくなった春先からは、やや変化が見られるような気がします。ドル円は売られても128円70銭~90銭のレベルではサポートされ、その後は129円台後半まで押し戻されて来ましたが、昨日は一気にその水準を割り込み、128円前後まで下げています。ちょうど1週間前に記録した127円54銭を目指す可能性もありそうですが、その際、127円台半ばで下げ止まるかどうかも注目されます。

 フィンランドとスウェーデンは正式にNATOへの加盟申請を行い、申請書をNATOのストルテンベルグ事務総長に手渡しました。事務総長は「われわれの安全保障にとって重要な瞬間で、素晴らしい日だ。歴史的な局面にあり、この機会を捉えなければならない」と歓迎の意を表しています。NATO加盟国大使は18日午前に会合を開きましたが、トルコが同意せず、加盟手続きは前進しなかったようです。両国の加盟にはNATO30カ国の同意が必要ですが、トルコのエルドアン大統領は重ねて反対を表明しています。ただ、これもトルコが両国からの譲歩を引き出すための駆け引きで、加盟承認はやや遅れる可能性はあるものの、承認されるとの見方が有力のようです。ブリンケン国務長官はトルコの外相と会談を行い、同意への働きかけを行っています。

 シカゴ連銀のエバンス総裁はブルームバーグ・テレビジョンとのインタビューで、「政策金利を米金融当局が経済にとって中立と考える水準をやや上回るまで引き上げ、利上げをそこで打ち止めにしても、インフレを現在の高い水準から減速させるのに役立つと考える」と述べ、「引き締めのためにFF金利を常に引き上げる必要はない。引き締めの環境に到達し、そこでしばらく政策を維持することは可能だ」と、ややはハト派寄りの発言を行っています。イエレン財務長官は本日から始まる「G7」財務相・中央銀行総裁会議への出席を前にドイツのボンで記者会見を行い、「政権の立場から言えることは、われわれは市場が決定する為替レートにコミットしているということだ」と述べ、米金利上昇でドルへの資金流入が勢いづく中、「ドルが上昇しているのは理解できる」(ブルームバーグ)と、現在のドル高を容認するような発言を行いました。イエレン財務長官からこの様な発言が出て来ることは初めてのことかと思いますが、これで、仮にドル高がさらに進んでも「日米協調介入」の可能性は極めて低いことが確認されたとも言えます。ブルームバーグは、「イエレン氏は歴代長官の一部が表明したような『強いドル』政策支持を公には表明していないが、今回の発言は最近のドル上昇をほとんど懸念していないことを示している」と論評しています。

 本日は再び日本株が下値を試す動きとなり、日経平均株価は大きく下げると予想されます。「リスク回避の円買い」が見られるのかどうかが焦点になりそうです。予想は127円30銭~128円80銭程度とします。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)