上海証券取引所の科創板への上場を目指している、雲叢科技集団(688327/上海)が5月18日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1億1243万株を発行予定で、公募価格は15.37元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2015年設立の民営企業で、19年に株式会社化した。高効率なマン・マシン協同オペレーションシステムやソリューションプランを提供する人工知能(AI)開発企業。自主開発のAIコアテクノロジーを駆使してマン・マシン協同オペレーションシステムを構築し、業務データ、ハードウェア、ソフトウェアとの全面的なリンクを通じて、スマート金融、スマートガバナンス、スマートトラベル、スマート商業を中心として顧客に情報化、デジタル化、インテリジェント化されたAIサービスを提供する。自主開発のマルチカメラトラッキング、3D構造顔認証、2層ヘテロジニアスディープニューラルネットワーク、敵対的生成ネットワーク技術などは業界トップクラスの水準を誇る。
 
 中国のAI産業は高速な発展段階にある。市場規模は2017年の708億5000万元から19年には1291億4000万元へと増加しており、22年には2621億5000万元に達する見込みだ。これに伴い、AIソリューションサービス市場規模も17年以降年平均30%を超えるスピードで成長しており、17年の4008億元から19年には7369億元に達し、22年に1兆7307億元にまで増加すると予測されている。同社が主なターゲットとしているスマート金融、スマートガバナンス、スマートトラベル、スマート商業の市場規模もそれぞれ年平均10%以上の高成長を続ける見込みであり、市場の先行きは明るいと言えそうだ。
 
 同社は業界をリードする高い水準の自主開発技術を数多く持っていること、広州、重慶、上海、蘇州、成都の5カ所に研究開発センターを持つなど研究開発に力を入れていること、中国銀行など大手国有銀行をはじめとする100以上の金融機関や30省・自治区・直轄市の行政、学校、観光地、空港などでシステムが導入されるなど高いブランド認知度を持っていることなどを強みとする一方で、コンピュータービジョン、音声認識、自然言語理解など個々の技術の融合が十分に実現できていないこと、業務の成長に見合う資金力が備わっていないこと、ハイレベルな人材が不足していることなどをボトルネックとしている。また、AIソリューションを提供する際のサードパーティー製ソフトウェアが同社の売上の約7割を占めており、粗利率が低くなっていること、業界内の市場競争が激しくなっていることなどの業績リスクが存在する。
 
 2021年12月期の売上高は10億7550万元(前期比42.49%増)、純損失は6億3212万元(同22.24%損失減)。22年1〜3月の業績予測は、売上高が1億7700万〜2億200万元(前年同期比38.72〜58.31%増)、純損失が1億100万〜1億1700万元(同53.72〜46.39%損失減)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)