深セン証券取引所の創業板への上場を目指している、湖北東田微科技(301183/深セン)が5月13日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2000万株を発行予定で、公募価格は22.92元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 同社は2009年設立の民営企業で、20年に株式会社化した。精密光電薄膜素子の研究開発、生産、販売を主業務としており、主な製品は赤外線カットフィルターなどのカメラフィルター、光通信用素子で、スマートフォン、コンシューマーエレクトロニクス製品、車載カメラ、セキュリティ監視設備、光通信信号伝送、データセンターなどのさまざまなアプリケーション端末に用いられている。2021年12月期の売上構成は、カメラフィルターが88.47%、光通信素子が11.53%である。

 2021年における同社の世界市場シェアは、スマートフォン向けカメラフィルターが約10%、セキュリティ分野向けカメラフィルターが0.05%、車載用カメラフィルター(20年)は1.12%。

 世界のスマートフォン出荷台数は2016年の14億7300万台をピークに15~21年まで13~14億台の間で推移してきた。一方でカメラ機能の向上に伴って、スマートフォン1台あたりに搭載されるレンズの数は17年の2.2個から20年には3.7個に増え、21年には4.1個に達したものとみられている。レンズの増加に伴ってスマートフォン用赤外線カットフィルターの需要は増加し続けており、17年の39億1300万枚から21年には55億5600万枚にまで増加したと予測されている。

 また、自動車分野でもADAS(先進運転支援システム)の開発、インテリジェンスカーの発展に伴い、高性能カメラの需要はますます高まっている。さらに、世界的な防犯意識の高まりに伴い世界の防犯カメラの売上高は2018年の8億8700万米ドルから22年には11億4200万ドルにまで成長した。IoT、スマートシティ、AIなどの新技術の発展により、中国国内および世界各国でさらに多くの監視カメラが必要となり、同社が手掛けるカメラフィルター市場の見通しも明るいと言えそうだ。

 同社は華為科技(ファーウェイ)、シャオミ、OPPO、vivo、サムスンなどの世界的に有名なブランドのスマートフォンに製品が採用されていること、日本やドイツなどの先進的なコーティング設備、技術を導入をするなど高い技術力を持つこと、コーティング材料を自前で生産することなどによる安定した品質の確保などといった点で強みを持っている。一方で、資金力不足により生産規模に限りがあること、製品の種類、大量生産などの面でライバル企業との間に一定の差があることなどがボトルネックとなっている。

 2021年12月期の売上高は4億344万元(前期比11.91%減)、純利益は6914万元(同1.99%増)。22年1~3月期の売上高は1億3万元(前年同期比9.93%減)、純利益は1433万元(同18.71%減)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)