130円台前半から半ばで推移していたドル円は米CPIの発表後に130円82銭まで上昇。ただその後は長期金利が急低下したことから129円台半ばまで急落するなど荒っぽい動きに。ユーロドルはやや水準を下げながらも1.05台で推移。株式市場は前日と同様な展開で、朝方上昇するも大幅な下落で引ける。ダウは5日続落し、他の指数も連日の年初来安値を記録。債券は続伸。長期金利は一時2.9%まで低下し、2.92%台で引ける。金と原油は大幅に反発。

4月消費者物価指数     →  0.3%

4月財政収支        →  308.2b

ドル/円  129.42 ~ 130.82

ユーロ/ドル 1.0503 ~ 1.0577

ユーロ/円  136.18 ~ 137.70

NYダウ -326.63 → 31,834.11ドル

GOLD   +12.70 → 1,853.70ドル

WTI    +5.95 →  105.71ドル
 
米10年国債  -0.070 → 2.921%


本日の注目イベント

日   3月国際収支
日   3月経常収支
日   4月景気ウオッチャー調査
欧   G7外相会議(独、14日まで)
欧   OPEC月報
英   英3月鉱工業生産
英   英1-3月期GDP(速報値)
英   英3月貿易収支
米   新規失業保険申請件数
米   4月生産者物価指数
米   デーリー・サンフランシスコ連銀総裁、討論に参加
米   米大統領、ASEAN首脳とサミット(ワシントン)

 米4月のCPI発表を材料にドル円は相変わらず荒っぽい動きを見せています。昨日1日の値幅は1円40銭もあり、利上げが近い割には動きの少ないユーロドルとは対照的になっています。市場参加者が動きのいいドル円の取引にシフトしているとみられますが、それだけに思惑やポジションの偏りから値幅が増幅されていると思われます。

 4月のCPIは前年同月比で「8.3%」と、前月よりも鈍化したものの、市場予想を上回りました。前月よりも伸びが鈍化するのは8カ月ぶりとなりましたが、インフレの高水準が続き、FRBは大幅な利上げを余儀なくされるとの見方から発表直後にドル円は130円82銭まで上昇し、買い戻しが先行していた株式市場は結局大幅続落で取引を終えています。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数も、前年同月比で「6.2%」と、3月よりは鈍化したものの、市場予想を超えていました。エコノミストからは「インフレは既にピークを付けたかもしれないが、この日のCPI統計は、指数の低下が長期間要する、ゆっくりとしたものであることを示しており、8%前後での横ばいさえも示唆している可能性がある」と言った声も聞かれていました。(ブルームバーグ)

 FRBの積極的な利上げ姿勢が重しとなり、NY株式市場では連日の大幅安が続いています。ダウは昨日も300ドルを超える下落で、これで最高値からは5000ドルに迫る大幅な下げ幅(約13.5%)を記録しています。この日の下げはアトランタ連銀のポスティック総裁の発言にも反応したようです。同総裁は、中立金利に達するまで通常より積極的な利上げを支持する考えを示し、「われわれは、もはや緩和策とはならない中立の領域にまで政策金利を引き上げていく。インフレが高すぎる水準にとどまった場合、私はさらなる行動を支持するだろう。高すぎる水準とは、当局目標の2%に向けて戻っていかないような状況だ」と述べています。またタカ派の代表であるセントルイス連銀のブラード総裁は、年内に政策金利を3.5%に引き上げことを支持するとあらためて表明しましたが、1回の政策会合で0.75ポイント利上げすることは自身のシナリオではないとも語っています。さらに、前NY連銀総裁のダドリー氏はブルームバーグとのインタビューで、インフレを抑制するために必要な金利水準や、それがどれほどの痛みを引き起こすのかについてのメッセージで米金融当局は「ごまかしをやめるべきだ」と述べ、物価圧力を抑えるためにFRBは政策金利をどこまで引き上げるべきかについての問いに、「4-5%もしくはそれ以上だと思う」と述べています。市場では3-3.5%までの引き上げを予想していると考えられますが、それを大きく上回る水準までの利上げに言及したのは、筆者が知る限りダドリー氏が初めてです。

 ドル円は4月の下旬に131円25銭まで上昇し、その後小幅な調整を経て今週には131円35銭まで上昇しましたが、130円台を固めるには至っていません。昨日のCPIの高止まりでもドルが一旦買われましたが、そこからは大幅に下げる場面もあり、131円台がやや壁になる可能性も出てきた印象です。まだドルが大きく調整する局面ではないと思いますが、6月、7月の利上げ幅がカギを握っていそうです。ここで連続して0.5ポイントの利上げを正当化するようなデータが今後出て来るのかどうかが焦点です。チャートを見ると、1日の値幅が大きいため「1時間足」や「2時間足」ではサポートを割り込むケースもあり、ショートを振らされることにもなりそうです。「4時間足」では、ここしばらくは雲の下限を明確に下抜けしてはおらず、このレベルがサポートになっていることが確認されます。現在雲の下限は129円10銭あたりに位置しています。ここを抜けたらセンチメントにもやや変化が出て来る可能性もありそうで、参考になろうかと思います。

本日のドル円は129円10銭~130円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)