中国のオンライン不動産取引プラットフォームを運営する貝殼(KE Holdings Inc.=Beike:02423/香港)が5月11日、香港メインボードに新規上場した。同社は2020年8月13日にNY証券取引所に上場しており(ティッカー:BEKE)、香港証取では上場に伴う新株の発行は行わない紹介上場(LISTING BY WAY OF INTRODUCTION)になった。香港での初値は30香港ドル。その後、上昇して32.45香港ドルの高値を付けた。

 同社は、北京を拠点としてオンライン住宅プラットフォーム「Beike(貝殻)」を運営している。オンラインとオフラインの両方でプラットフォーム参加者と積極的に関与することで、2021年には、プラットフォーム上で450万件を超える住宅取引に関与した。総取引額(GTV)は3兆8535億人民元となり、中国で最大の住宅取引プラットフォームになっている。ソフトバンクビジョンファンドがTencent(騰訊)、Hillhouse Capital、Sequoia Capitalなどと一緒に2020年3月に合計24億ドルを出資した。

 CICレポートによると、中国の住宅関連市場は2021年にGTVで39.6兆人民元に達し、2026年までに55.7兆人民元に成長し、年平均成長率は7.1%であり、世界最大の市場であり続けると予想されている。中国の不動産仲介サービスを通じて取引された住宅販売と賃貸のGTVの合計は、2021年の12.7兆人民元から、2026年までに19.4兆人民元に増加すると予想され、さらに、住宅の改修や家具などの他の住宅関連サービスの市場も高い成長の可能性を秘めており、2026年までに24.2兆人民元に達するという予想がある。にもかかわらず、取引のデジタル化は遅れている。

 そこで同社は、エージェント協力ネットワーク(ACN)を導入し、住宅取引の情報を一元化し、住宅販売会社間の情報共有を進め、サービスの標準化を実現した。住宅の買い手と売り手の両方、または、家主とテナントにサービスを提供するエージェントは、ACNを介して接続されているため、さまざまな場所にいるこれらの住宅の顧客を効率的にマッチングすることができるようになった。2021年12月末現在でBeikeプラットフォームに登録している住宅仲介業者は300社4万5000店舗を超えている。

 また、同社は2018年に業界に先駆けて住宅取引にバーチャルリアリティ(VR)を導入した。同社の「RealSeeVRテクノロジー」は、3次元ウォークスルーとリアルタイムでエージェントのサポートを受けられるサービスとなり、高品質な視覚体験を提供している。2021年のVR視聴回数は約16億回に達し、総視聴時間は6600万時間になった。この「RealSeeVRテクノロジー」については、日本の商社である丸紅が21年5月にVR技術サービスに係わる販売業務契約を結び、日本の不動産市場での活用を進めている。同社は、このような先端テクノロジーの導入や研究開発に積極的に取り組んでいる。同社の研究開発費は2019年に15億7100万人民元、20年に24億7800万人民元、21年は31億9400万人民元になっている。

 同社の2021年12月期の売上高は807億5244万人民元(前期比14.57%増)、税前利益は11億4073万人民元(同74%減)だった。(イメージ写真提供:123RF)