北京証券取引所への上場を目指している、深セン市鑫匯科(831167/北京)が5月11日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。700万株を発行予定で、公募価格は15.21元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2003年設立の民営企業で、14年に株式会社化した。インテリジェントコントロール技術応用製品の研究開発、生産、販売、および家電製品分野向け半導体素子の小売を主業務としている。美的集団やフィリップスなどの家電ブランドを主要顧客としており、多くの国際的な著名家電ブランドのサプライヤーとなっている。インテリジェントコントロール分野にはIH加熱コントロール向けの半導体チップ、小型家電向けコントローラー、小型家電およびモジュール、電磁コイル、小型家電精密金型が含まれる。2021年12月期の売上構成は、インテリジェントコントロール関連製品が78.86%、半導体素子小売が21.14%となっている。
 
 世界のインテリジェントコントローラー市場は2015年の1兆2275億米ドルから19年には1兆5462億ドルと年平均5.9%のペースで成長した。今後も年4〜5%程度の成長が見込まれ、24年には1兆9599億ドルに達すると予測されている。用途の内訳では家電製品が13.70%と自動車電子製品の23.30%に続いて多くなっている。通信技術の飛躍的発展が、インテリジェントコントローラーの需要を大いに刺激している状況だ。
 
 特に、中国のインテリジェントコントローラー市場は世界を上回るペースで成長しており、2015年の1兆1712億元から20年にはほぼ倍の2兆3822億元に増加。25年には4兆1867万元まで市場が拡大する見込みだ。また、消費レベルの向上やECプラットフォームの発展などにより中国の小型家電市場規模も安定的な成長を続けている。12〜19年は年平均13.3%のペースで成長し、19年の市場規模は4015億元に達した。23年には6460億元にまで増加するとみられる。

 同社はこれまでに240件の特許を取得するなどの高い技術力と研究開発力、国内外大手ブランドのサプライヤーとして信頼を得ていること、性能の高さや寿命の長さなど製品品質の高さ、生産ラインのインテリジェント化、自動化によるコスト低減力といった強みを持っている。一方で、資金力が限られていたことで日々高まるニーズに対応するための生産能力の拡大が難しい状況にあった。また、売上が上位5社に集中している、部品供給元が一部のサプライヤーに集中している、ICやPCB、コンデンサなどの原材料の供給不足や銅・アルミニウム価格の高騰などによる粗利率低下といった経営上のリスクを抱えている。
  
 2021年12月期の売上高は7億4161万元(前期比19.68%増)、純利益は3547万元(同5.35%減)となっている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)