上海証券取引所の科創板への上場を目指している、思特威(上海)電子科技(688213/上海)が5月11日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。4001万株を発行予定で、公募価格は31.51元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2017年設立の民間企業で、19年に株式会社化した。高性能CMOSイメージセンサー半導体チップの研究開発、設計、販売を主業務としてファブレス経営を行っており、あらゆるシーン、あらゆる性能を網羅したCMOSイメージセンサーを提供する。セキュリティ監視、マシンビジョン、インテリジェント車載電子などさまざまなハイテク分野で広く用いられており、産業のインテリジェント化、情報化に貢献している。
 
 2020年時点でセキュリティ・防犯関連CMOSイメージセンサーの出荷量ベース世界シェアが34.95%で1位。また、マシンビジョン分野のグローバルシャッターCMOSイメージセンサーにおいても業界をリードする地位を確保している。CMOSイメージセンサー全体の市場シェアは出荷量ベースで世界6位、売上ベースで同9位だ。
 
 世界のCMOSイメージセンサー市場規模は、2016年の94億1000万米ドルから20年には179億1000万ドルと年平均17.5%のペースで成長してきた。21〜25年も年平均11.9%のペースで成長し、25年の市場規模は330億ドルに達する見込みだ。また、同社が得意とするセキュリティ・防犯CMOSイメージセンサーの市場規模も16年の3億6000万ドルから20年には8億7000万ドルと年平均24.7%のペースで伸び、25年には20億1000万ドルにまで成長するものとみられる。
 
 さらに、同社のもう一つの強みであるマシンビジョン向けグローバルシャッターCMOSイメージセンサーの世界全体の出荷量は2018年の1100万個から20年には5倍以上の6000万個と急拡大。AIや5G技術の普及に伴って需要はさらに高まるとみられ、25年にはさらに6.5倍の3億9200万個にまで増えると予測されている。 

 同社は顧客のニーズに寄り添った技術革新能力、高効率な半導体開発能力、優秀な研究開発チーム、経験と高い品質による顧客との強力な提携関係、安定したサプライチェーン体系といった点を強みとする一方で、CMOSイメージセンサーの用途として約7割を占めるスマートフォン向け製品の開発、市場開拓がなおも初期段階にあることがボトルネックとなっている。また、サプライヤーや顧客が少数に集中していること、米中貿易摩擦の激化によるサプライチェーンへの影響、材料価格などのコスト増に伴う粗利率の低下といったリスクが存在する。
 
 2021年12月期の売上高は26億8932万元(前期比76.10%増)、純利益は3億9833万元(同229.23%増)。22年1〜3月期の業績予測は売上高が3億9610万〜4億8412万元、純利益が450万〜2045万元(前年同期のデータは未発表)となっている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)