上海証券取引所のメインボードへの上場を目指す、浙江聯翔智能家居(603272/上海)が5月10日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2591万株を発行予定で、公募価格は13.64元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2004年に浙江聯翔刺繍有限公司として設立し、16年に株式会社化して現社名に変更した。布壁紙の研究開発、設計、生産、販売を主業務としており、カーテンなどのインテリア用品の開発、生産、販売や、インテリア工事業務なども手掛けている。刺繍技術に強みを持つ布壁紙メーカーとして中国国内の布壁紙業界のリーディングカンパニーとなっている。売上比率は、布壁紙製品が9割以上を占める。
 
 中国の建材家具市場は、不動産市場の発展に伴って拡大を続けており、2014年から19年までは年平均1.71%のペースで増加し、19年には4兆4300億元に到達した。社会、経済の発展に伴い、人びとの建築に対する美しさ、快適さのニーズがますます高まる中で、布壁紙を含めた建築装飾材料の需要は旺盛だ。
 
 また、中国の壁紙生産量は紙製品が2017年まで圧倒的に多かったが、室内装飾の消費レベル上昇に伴って布壁紙の生産が急増、18年に両者の差が大きく縮まり、19年〜20年は布壁紙が完全に逆転した。布壁紙の生産量は15年の2億5000万平方メートルから20年に約6倍の14億6000万平方メートルにまで増えている。壁紙業界は初期投資規模が比較的少なく済むことから参入する企業が非常に多く現時点で800社を超え、各企業が少ないシェアを取り合っている状況だ。業界のリーディングカンパニーを称する同社も、20年の中国国内の布壁紙販売シェアは0.66%に過ぎない。
 
 同社は研究開発力、デザイン力、機械化を実現した刺繍加工の技術力、高いブランド力、香港・マカオ・台湾を除く中国本土を網羅する販売ネットワークなどを強みとする一方で、資金力や開発、生産、管理の各種人材が不足しているというボトルネックを抱えている。また、近年の不動産経済過熱を抑止する政策を国が講じていることで新築や中古住宅の販売が減り、インテリア用品の需要も低下する可能性があること、ブランドや製品、デザインの特許、著作権侵害、インテリア用品に対する市場トレンドの変化、競争激化による布壁紙製品価格の下落といったリスクも存在する。
 
 2021年12月期の売上高は2億7936万元(前期比9.86%増)、純利益は6704万元(同5.16%増)。22年1〜3月期の業績予測は売上高が5200万〜5400万元(前年同期比0.87〜4.75%増)、純利益は879万〜920万元(同6.69〜11.79%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)