ドル円は東京時間夕方には131円台に乗せ、131円35銭まで買われ、直近高値を更新。その後上値が重くなり、NYでは長期金利の低下に130円15銭まで売られる。ユーロドルは1.05台で推移。株式市場は大幅に続落。金利の先高観に加え、中国の景気減速も重石となり、3指数とも年初来安値を更新。債券は反発。長期金利は朝方には3.2%まで上昇したが、その後大きく低下。金と原油は大幅に下げる。原油は中国のロックダウンが景気を下押しするとの見方から6ドルを超える大幅な下げに。



ドル/円  130.15 ~ 130.96

ユーロ/ドル 1.0517 ~ 1.0592

ユーロ/円  137.06 ~ 138.25

NYダウ -653.67 → 32,245.70ドル

GOLD   -24.20 → 1,858.60ドル

WTI    -6.68 →  103.91ドル
 
米10年国債  -0.093 → 3.034%

本日の注目イベント

豪   豪4月NAB企業景況感指数
独   独5月ZEW景気期待指数
米   ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
米   ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
米   バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
米   メスター・クリーブランド連銀総裁、パネル討論に参加

 ドル円は昨日の午後3時過ぎ、欧州市場の参入に合わせるように上昇し、一時は131円35銭までドル高が進みました。先月28日に記録した131円25銭を上回ったことで、もう一段の上昇期待もありましたが、NYでは長期金利の低下から、高値から1円以上も下落するという、相変わらず荒っぽい値動きでした。

 昨日はドル円だけではなく、多くの市場で活発な値動きがありました。NY株式市場では3指数が揃って大きく売られ、S&P500は1年1カ月ぶりの安値を付けるなど、揃って年初来安値を更新しています。金利先高観に加え、ウクライナでの戦争の長期化や中国での新型コロナウイルスに対するロックダウンが続く中、サプライチェーンの混乱がインフレへの脅威になっており、リスク資産を売る動きにつながっています。昨日はビットコインも値を下げ、3万1000ドルを割り込み、昨年11月に記録した最高値から約半分になっています。また、WTI原油価格も6%を超える下落でした。中国景気への懸念から原油消費量が減るといった見方からでしょう。「Cash is King」といった状況で、リスクのあるものは全て売られた形です。米財務省が公開した金融安定監視評議会の、年次報告書での議会証言テキストの中でイエレン財務長官は、「国々がパンデミックへの対応を継続する中で、ボラティリティーと世界成長の不均一が続く可能性がある。ロシアによる一方的なウクライナ侵攻は経済の不確実性を一層高めた」と分析しています。

 明日11日には注目の米4月の消費者物価指数が発表されますが、アトランタ連銀のポスティック総裁は9日、米金融当局は0.5ポイントの利上げを継続することが望ましく、それより大幅な利上げの必要はないとの考えを示しました。ポスティック総裁はブルームバーグのインタビューで、0.5ポイントの利上げは「既にかなり積極的だ」とし、「さらに積極的に動く必要があるとは思わない。このペース、この歩調を維持し、市場がどのような展開をたどるかを見極めることは可能だ」と述べています。また足元のインフレについては、「優先事項として私の念頭にあるのはインフレ率があまりに高水準であるということであり、われわれは決然と、また明確な意図を持ってその抑制に向けて行動する必要がある」と語っていました。また、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁もCNBCとのインタビューで、「米国民が払っている物価は高すぎる」と述べ、その理由として「労働力の供給が予想していたほど速いペースで回復していないことや、個人消費が貯蓄ではなく現行の収入で賄われているとみられる」ことなどを挙げています。同総裁は先週の講演で、雇用市場がやや減速しても容認する考えを示唆していました。

 注目されたロシアの戦勝記念式典でプーチン氏は、ウクライナへの侵攻を正当化する演説に終始し、懸念されていた「戦争状態にある」といった発言は見られませんでした。一方で、「NATOはわれわれの話を聞こうとしなかった」と述べ、欧米との対決姿勢を鮮明にしています。ウクライナ側も欧米の大規模な支援を背景に反攻に転じる可能性を示唆しており、戦争の長期化は避けられない見通しです。

 今しばらくは、ウクライナ情勢と、米国のインフレがどこまで進行するのかを見極める必要があろうかと思います。ドル円は131円台前半から折り返してきましたが、「130-135円のレンジ」を形成する過程にいるのかどうかを見極めたいと思います。

本日のドル円は129円50銭~130円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)