深セン証券取引所のメインボードへの上場を目指す江西陽光乳業(001318/深セン)が5月9日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。7070万株を発行予定で、公募価格は9.46元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2008年設立の民営企業。乳製品、乳飲料の研究開発、生産、販売を主業務としている。特に低温乳製品、低温乳飲料が主力製品で、コールドチェーン販売ネットワークを通じて製品を早朝または夕方に消費者の家に配送する。「陽光」、「天天陽光」の2大ブランドを持ち、江西省を中心に湖南省、安徽省などの近隣省で消費者から広く認知されている。
 
 中国では経済の発展、国民生活水準の向上に伴い、乳製品が日常の栄養食品として浸透しつつあり、市場規模は増加し続けている。中国の乳製品の生産量は2008年の1810万トンから20年は2780万トンにまで増えた。また、乳製品の品質安全管理体系が徐々に整備され、監督管理が強化されたことで、2000年代のメラミン入り粉ミルク事件などで著しく低下していた中国国産乳製品ブランドに対する消費者の信頼も回復しつつあり、乳製品の消費増につながっている。
 
 一方、中国では長きにわたり長期保存が可能な高温殺菌処理を経た常温乳製品が市場の大部分を占めてきた。2019年における中国の液体乳製品のうち冷蔵保存が必要で品質保持期限が短い低温殺菌乳の割合は6.4%と低くなっている。中国では物流チェーンの急速に発展しており、コールドチェーン輸送網の充実に伴って今後同社が扱うような低温乳製品、乳飲料の生産、消費が増えてくることが予想される。現在、中国の1人あたり乳製品消費量は世界平均の3分の1にとどまっており、中国政府が20年に打ち出した「1人1日300グラムの牛乳、またはそのタンパク質含有量に相当するその他乳製品を摂取する」という目標達成に向け、中国の乳製品市場には非常に大きな伸びしろが見込まれる。
 
 同社は、家庭への配送を中心に、スーパーマーケット、専売店、自動販売機と多様な販路を確立していること、完全なコールドチェーン輸送体系を確保していること、品質の高い原料乳を確保でき、新鮮で安全安心な乳製品を提供可能であること、江西省およびその周辺地域で高い認知度を持っていることなどを強みとする一方で、蒙牛、伊利といった乳製品大手企業に比べると経営規模が小さく、全国的なブランド認知度が低いというボトルネックを抱えている。
 
 2021年12月期の売上高は6億3061万元(前期比19.99%増)、純利益は1億3570万元(同29.32%増)。22年1〜3月期の業績予測は、売上高が約1億2000万〜1億4000万元(前年同期比5〜10%増)、純利益が約2700万〜3000万元(同7〜13%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)