東京時間に127円35銭まで下げたドル円はその後128円台を回復したが、NYでは再びドル売りが優勢となる。ユーロドルは続落。ドル高が続き、一時1.0636まで下落。ユーロは対円でも2週間ぶりとなる135円台前半まで下げる。株式市場は大幅に反落。ダウは809ドル売られ、ナスダックは514ポイント下げ、年初来安値となる。債券は大幅続伸。長期金利は2.72%まで低下し、この日の最低水準で取引を終える。金と原油は上昇。

3月耐久財受注               →  0.8%
2月ケース・シラ-住宅価格指数       →  20.20%
4月コンファレンスボード消費者信頼感指数  →  107.3
4月リッチモンド連銀製造業景況指数     →  14
3月新築住宅販売件数            →  76.3万戸
2月FHFA住宅価格指数          →  2.1%

ドル/円    127.03 ~ 127.68
ユーロ/ドル  1.0636 ~ 1.0685
ユーロ/円   135.21 ~ 136.23
NYダウ -809.28  → 33,240.18ドル
GOLD    +8.10 → 1,904.10ドル
WTI     +3.16 →  101.70ドル
米10年国債 -0.099 → 2.720%

【本日の注目イベント】

豪  第1四半期消費者物価指数
独  5月GFK消費者信頼感
米  3月中古住宅販売成約件数

世界的にインフレが進行し、各国中銀が金融引き締めへと舵を切り直していることから株価の下げも世界的な傾向です。中でもNY株の下げは厳しく、昨日は主要3指数が揃って大きく売られました。特に金利上昇に弱いとされるナスダック指数は4%近い下げを演じ、年初来安値を更新しています。EV専用メーカーのテスラは、同社CEOのイーロン・マスク氏がツイッターを買収することで合意したことで、その資金を確保するために同社株を売却するのではないかとの懸念から大きく下げ、引け値では前日比12%もの大幅下落になっています。

株価下落の底辺にはFRBによる強力な利上げ観測があります。来週3-4日の会合では0.5ポイントの利上げが確実視されており、さらに残り5回のFOMCでも0.5ポイントの利上げが少なくとも3回はあると見込まれています。足元のインフレは40年ぶりの高水準であることから、FRBにとってはインフレ阻止が最重要課題であり、多少の景気減速には目をつぶる姿勢を維持する構えかと思われます。もっとも、株価の大幅な下げはインフレを抑える要因にもなるかと思います。米国人は株式を保有する割りあいが多く、株価が下落すればおのずと消費を控えるスタンスが強まります。そう考えると、今後もFRBがインフレを阻止するため、政策金利を3~3.5%まで引き上げるとの予想はやや行き過ぎとも思えます。来週の会合では政策決定後のパウエル議長の会見がいつも以上に注目されることになりそうです。一方ほぼ「無風」で注目度の低かった日銀金融政策決定会合の方もやや注目度が増しています。政策変更はないと見ていますが、黒田総裁の発言には注意が必要です。総裁の発言でドル円が大きく動いたことが度々あり、先週のNYでの発言もドル円を129円台に押し上げる起爆剤になりました。発表によると、0.25%以上の金利上昇を容認しない日銀は、昨日も0.25%で9215億円の国債を指し値オペで買入れ、21日からの連続指し値オペでの買い入れ総額は2兆767億円に達しています。現行の金融政策を維持し、断固として金利上昇を容認しない姿勢を改めて示した形となっています。注意したいのは、声明文と黒田総裁の発言に「微妙な変化」が見られるかどうかです。「微妙な変化」があるようだと、市場は「フォワードガイダンス」と受け止め、近い将来の政策変更を意識することになり、円が買い戻される可能性もありそうです。一方、これまで通り、「強力な金融緩和を粘り強く続けていく」と繰り返すようだと、再び円売りが活発になる可能性があると見ています。

ウクライナ訪問を終えたオースティン国防長官は、ドイツにある米軍施設で40カ国以上の国防トップと会談し、ウクライナへの追加支援策について協議しました。ドイツはこの席で、ウクライナへ「ゲバルト対空戦車」を供与すると発表しています。ロシアのラブロフ外相は先のオースティン国防長官の発言に反発し、「欧米はロシアを分断させようとしている。核戦争につながりかねない重大な危機が存在する」と警告しています。国連のグテレス事務総長はロシアのプーチン氏と会談を行いましたが、停戦への動きはなく、国連と国際赤十字が今後関与することで合意した模様です。

米長期金利の低下に伴いドル円も徐々に上値が重くなってきました。今朝方には127円を割り込む場面もあったようですが、127円を明確に割り込むかどうかに注目しています。「4時間足」の雲の下限が126円80銭近辺にあり、目先はこの辺りがサポートになるかもしれません。

本日のドル円は126円60銭~127円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)