東京時間に128円を割り込み127円74銭まで下げたドル円だったが、NYでは黒田総裁の講演をきっかけに129円11銭まで急速に値を戻す。ユーロドルはドル高が進んだことから反落。今朝は仏大統領選でマクロン氏が勝利したとの報道でやや上昇。株式市場は大幅に続落。ダウは一時1000ドルを超える下げに見舞われ、ほぼこの日の安値圏で引ける。債券は反発。長期金利は2.899%前後に低下。金と原油はともに下げる。

4月マークイット製造業PMI(速報値)    →  59.7
4月マークイットサービス業PMI(速報値)  →  54.7
4月マークイットコンポジットPMI(速報値) →  55.1 

ドル/円    128.14 ~ 129.11
ユーロ/ドル  1.0771 ~ 1.0845
ユーロ/円   138.31 ~ 139.19
NYダウ -981.36  → 33,811.40ドル
GOLD   ―13.90 → 1,934.30ドル
WTI     -1.72 → 102.07ドル
米10年国債 -0.011 → 2.899%

【本日の注目イベント】

日   2月景気先行指数(CI)(改定値)
トルコ 3月消費者物価指数
独   4月ifo景況感指数
米   企業決算 → コカ・コーラ

先週末はワシントンでの「鈴木財務大臣はイエレン財務長官が為替問題で連携」との報道からドル円が売られ、127円74銭近辺までドル安が進むなど、ドルの上値が重い展開でしたが、NYでは大きく反発しました。黒田日銀総裁がNYのコロンビア大学で講演を行い、これまでの主張を繰り返し、「日銀は2%の物価目標の安定的な達成に向け、現在の強力な金融緩和を粘り強く続けていく必要がある」と述べたことでドル買いが強まり、再び129円台まで上昇したものです。鈴木財務大臣が円安の是正に向けイエレン財務長官と「落としどころ」を探っている一方、黒田総裁が「強力な金融緩和」に言及するなど、為替を主管する財務省と金融政策を司る日銀との間の認識の違いを投機筋に突かれる展開が続いています。黒田氏は講演で、「米国のインフレは『デマンド・プル型』の様相が強まっており、日本については『国際商品市況の大幅な上昇』の影響が大きい」と説明しています。

3%に迫る金利上昇が続く米国と、0.25%以上の上昇を容認しない日本との政策の差がそのままドル高につながっていますが、IMFのアジア大平洋局のサンジャヤ・パンス副局長は日経新聞社とのインタビューで、急激な円安を巡り、「現時点で為替介入の必要はない」と語っています。パンス氏はその理由として、「通貨を安定させるための介入は、市場が無秩序になり始めた時に実施すべきだ。円相場はかなりの速さで動いているが、市場は円滑に機能している。ファンダメンタルズを反映した形で動いている。無秩序になっていないのだから安定させようとする必要はない」と語っています。また金融緩和政策を見直す必要はないかとの質問に、ここでも「変更する必要はない」と答え、「今後数カ月間は燃料費の上昇や携帯電話料金の引き下げの影響が消えることでインフレ率が一時的に上昇するが、また下がると考える。2%の目標を持続的に考えていくまで、金融政策の変更は勧めない」と説明しています。どうやら日銀は、足下ではインフレが急速に強まる兆しがあるものの、安定的に2%を超える物価上昇が続くとは考えていないようで、これが金融政策を変更しない大きな理由になっていると思われます。個人的な印象では、すでに多くの品目が値上がりしており、さらに電気料などの桁違いの値上がりが家計を圧迫していると思っていますが、どうなんでしょうか。

ロシアによるウクライナ侵攻は3カ月目に入りましたが、ウクライナではマリウポリを中心に全土で空襲警報が聞かれているようです。そんな中、米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官が首都キーウを訪れています。2月24日のロシアの侵攻後初となるバイデン政権の高官の訪問になります。両長官はゼレンスキー大統領と会談し、今後の武器供与について話し合うと見られていますが、バイデン大統領はこれまで通りウクライナへの支援は武器に留め、米兵を派遣しない姿勢は崩していないようです。また26日には国連のグテレス事務総長がプーチン氏と会談する予定ですが、ゼレンスキー氏は「グテレス氏がモスクワを訪れ、プーチン氏と話す意図がわれわれには分からない」と述べています。

来週のFOMCでは0.5ポイントの利上げが確実視されていますが、その後の6月、7月会合でも0.5ポイントの利上げが実施されるとの見方も有力になっています。さらに先週はタカ派のセントルイス連銀のブラード総裁が「0.75ポイントの利上げの可能性を排除しない」との考えを示していました。そんな中、クリーブランド連銀のメスター総裁はCNBCとのインタビューで、「金融政策は市場の期待や動きを通じて経済に伝わっていくことを常に念頭に置いておきたい」とし、「75ベーシスポイントの衝撃よりも、こうした整然としたアプローチを私が支持するのはそれが理由だ。われわれの政策でやろうとしていることにおいて、それは必要ではないと考える」と述べ、0.75ポイントの利上げには反対の立場を示しています。(ブルームバーグ)

ドル円は1日の値幅が依然として大きく、しかも値動きも従来よりもかなり早い展開が続いています。ニュースのヘッドラインを瞬時にAIが判断して売買を行うことが、その動きを増幅しています。本日のドル円は127円70銭~129円20銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)