中国の今年1-3月の実質GDP成長率は前年同期比4.8%となり中国政府が目標とする5.5%程度を大きく下回った。新型コロナウイルスが蔓延し、一部の都市で「ロック・ダウン(都市封鎖)」が実施されていて、今後の成長見通しも不透明だ。大和総研の経済調査部主席研究員の齋藤尚登氏は4月21日、「中国:内憂外患、リスクシナリオでは3%台も」と題したレポート(全11ページ)を発表し、中国経済の現状を分析した。中国政府が「ゼロコロナ政策」に固執すると、思わぬ下振れがありそうだと危惧している。レポートの要旨は以下の通り。

◆中国国家統計局によると、2022年1月~3月の実質GDP成長率は前年同期比4.8%(以下、断りのない限り、変化率は前年比、前年同期比)となり、2020年と2021年の2年平均である5.1%を下回った。

◆中国経済の行方について、ゼロコロナ政策は今後、一層厳格に実施されるため、短期的には景気下押し要因になる。その一方で、大半の都市で早期の抑え込みが可能となることで、経済活動の再開も早くなると想定している。新型コロナウイルス感染症の感染拡大が抑制され、年後半に中国経済は加速する、というのがメインシナリオである。政府成長率目標である5.5%前後の達成は難しいが、5.1%程度の実質成長となろう。一方で、ロックダウン(都市封鎖)を余儀なくされる都市が、相当程度存在し続けるのが、リスクシナリオである。仮に中国経済の5%程度が、1年間壊滅的な悪影響(成長率は▲40%)を受ける場合、中国の成長率は2%ポイント程度押し下げられることになる。新型コロナウイルス感染症の厄介な特徴と、中国政府のゼロコロナ政策への固執を考えると、その可能性はゼロではないだけに、今後の動向に注意をしたい。(情報提供:大和総研)(イメージ写真提供:123RF)