深セン証券取引所のメインボードへの上場を目指す、永泰運化工物流(001228/深セン)が4月20日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2597万株を発行予定で、公募価格は19日に発表する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2002年設立の民営企業で、19年に株式会社化した。化学工業分野の国際物流サービス企業であり、物流サービス、危険物倉庫、危険物輸送車、工業団地の化学工業総合物流拠点といった自前のリソースと、国際海運、通関サービス、第三者倉庫・輸送車両などの外部資源を組み合わせ、自社の「運化工」プラットフォームを通じてプロフェッショナルで安全、高効率な物流プランニング、価格オファーや輸送便の手配、国内輸送、倉庫保管、通関、港湾サービス、国際海運、物流情報モニタリングと国際物流のあらゆるセクションを網羅した総合サービスを提供する。
 
 中国の物流市場は年々拡大を続けており、全社会の物流総額は2011年の158兆4000億元から20年には300兆1000億元と年平均7.36%のペースで増加した。中でも工業製品の物流が全体の90%を占めている。また、化学工業の発展に伴って化学工業物流市場も18年時点で1兆4000億元まで成長、22年には1兆8000億元に達する見込みだ。そして、サードパーティ・ロジスティクスの成長も見込まれ、化学工業物流市場に占める割が18年の25%から、22年には35%にまで高まると予測されている。
 
 国際的な化学工業製品の輸送には通関や検査申告、危険物申告など煩瑣な手続きが必要であるうえ、国や地域だけでなく港や船舶の経営者によっても条件や要求が異なることがあるため、化学工業業界では物流に特化したサードパーティ・ロジスティクス企業のニーズがますます高まっている。同社は長江デルタ地域を中心として、華東、華北、華中といった中国国内の主な化学工業産業集約地域および寧波、上海、青島、天津など主要な化学品貿易港の物流サービスネットワークを持っている。また、国際化学製品物流サービスのワンストップ化、全プロセスの可視化を実現するプラットフォームを持ち、細やかで質の高い管理が行えるといった強みを持っている。
 
 一方で、中国国内のサービス地域が限られており、全国的なサービス網が構築できていないこと、業務の拡張に向けた資金が不足していることがボトルネックだ。また、新型コロナなどによる海上輸送価格の上昇で2021年は売上を大きく伸ばしたものの、今後国際海運市場の逼迫状態が緩和して輸送価格が下落した場合には売上や利益が低下するリスクがある。そして、危険物を含む化学品を扱う特性上、厳しい安全管理の実施が求められており、万が一事故が発生した場合は甚大な損害が発生するリスクも抱えている。
 
 2021年12月期の売上高は21億4457万元(前期比125.20%増)、純利益は1億6754万元(同125.77%増)。22年1〜3月期の業績予測は、売上高が約6億3890万〜7億615万元(前年同期比75.24〜93.68%増)、純利益は4682万〜5303万元(同73.72〜92.01%増)となっている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)