東京時間に127円台から128円台に乗せたドル円は一段と上昇し、NYでは129円に迫る水準まで上昇。ユーロドルは引き続き1.08を挟みもみ合い。ユーロは対円で139円台まで上昇。株式市場は3指数が揃って大幅反発。ダウは500ドル上昇し、ナスダックも287ポイント上昇。金利先高観は残るものの、米景気に対する楽観的な見方が株価を押し上げた。債券は3日続伸。長期金利は一時2.94%前後まで上昇。金と原油はともに大幅反落。

3月住宅着工件数  →  179.3万件
3月建設許可件数  →  187.3万件


ドル/円   128.09 ~ 128.97
ユーロ/ドル 1.0782 ~ 1.0808
ユーロ/円  138.29 ~ 139.09
NYダウ +499.51  → 34,911.20ドル
GOLD   ―27.40 → 1,959.00ドル
WTI     ―5.65 →  102.56ドル
米10年国債 +0.083 → 2.936%

【本日の注目イベント】

日  3月貿易収支
独  3月生産者物価指数
欧  ユーロ圏2月鉱工業生産
欧  ユーロ圏2月貿易収支
米  3月中古住宅販売成約件数
米  ベージュブック(地区連銀経済報告)
米  G20財務相・中央銀行総裁会合(ワシントン)
米  G7財務相・中央銀行総裁会合(ワシントン)
米  IMF専務理事、記者会見
米  デーリー・サンフランシスコ連銀総裁講演
米  エバンス・シカゴ連銀総裁講演
米  ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
米  企業決算 → P&G、テスラ、アルコア
加  3月消費者物価指数


円安の流れが止まりません。

ドル円は昨日の早朝に127円台に乗せたと思ったら、昼過ぎには128円に迫る127円97銭と一段と上げ足を早め、午後にはついに128円台を付けています。鈴木財務大臣は前日に続き、「為替の安定は重要で、急速な変動は望ましくない」とコメントし、円安対応として為替介入や金融政策について問われると、「いろいろ影響もあるのでコメントは控えたい」と述べるにとどめ、「緊張感を持って注視している」と答えています。市場はこの種の発言にも慣れたのか、全く意に介さない形で上昇し、結果的に「火に油を注ぐ」状況になった格好です。昨日もこの欄で述べましたが、口先介入だけで相場の流れを変えられたためしはなく、市場もその辺りを十分熟知していることから、ドル買いで攻めている状況が続いています。最早「口先介入」だけでは全く効果がないことは鮮明になりました。実弾を伴う市場介入か、現行の日銀の基本政策である「長短金利操作付き量的・質的金融緩和策」を変更するか、解除するしかないのかもしれません。

ドル円はその後も上昇し、NYではついに129円に迫る、128円97銭までドル高が進みました。そして昨日と同じように、早朝には129円台に乗せ、129円40銭前後まで円が売られています。円は全面安の展開で、ユーロ円は2015年6月以来となる139円台半ば、ポンド円は2016円2月以来の168円台、さらに豪ドル円も約7年ぶりに95円台半ばまで「円安」が進行しています。昨日から今朝にかけてのドル円の上昇は急ピッチで、ちょうどドル円が122円台から一気に125円台まで急騰した3月28日の相場展開の再来のようです。

ドル高のドライバーになっているのが米金利高であることは明らかです。昨日のNY債券市場では、米長期金利が一時2.94%前後まで上昇し、3%に迫る勢いです。そのため、年初には1.43%ほどであった日米金利差は、足元では2.7%近くまで拡大しており、これが「ドル買い・円売り」のマグマになっていると考えられます。ドル円の「130円」と、米長期金利の「3%」が、目先のターゲットのように思えてきました。筆者は「多くの人が口を揃えてその水準に言及した時は、その水準には届かない」といった、余り根拠のない「アノマリー」のようなものを意識する「クセ」はありますが、今回もその意識は持っています。為替は参加者の心理的要因が大きく作用するケースが多く見られるからです。ただ、一方で今回は日米金融当局の政策の差が明らかで、どちらかに政策変更が見られない限り、「130円でも止まる保証はない」との意識も共存している状況です。また、余り目先の相場には関係ありませんが、5年、10年といった長期で見た場合、円の凋落はまだ第2段階で、今後大きく売られる可能性があるとの認識はかなり長い間維持しているところです。

ロシアのラブロフ外相はウクライナの侵攻に関して、「作戦の新段階に入った」と微妙な言葉を発しましたが、メディアとのインタビューでは、「ロシアは核戦争回避に注力している」と答えています。5月9日の戦勝記念日に向けそれなりの成果が欲しいロシアは、ドンバス地方を構成するルハンスク州とドネツク州の全ての戦線で全面攻撃を開始しています。国連のグテレス事務総長は、21日から4日間の休戦を呼び掛けていますが、いまのところロシアはその呼び掛けに応じる構えはありません。

FOMCメンバーの多くがタカ派寄りの姿勢を示す中、アトランタ連銀のポスティック総裁は「貴重なハト派」の一人と言えるかもしれません。ポスティック総裁はCNBCとのインタビューで、「中立水準を超えていきたいと実際に表明することに二の足を踏む1つの理由は、経済環境から正当化されるよりも多く利上げする可能性があるためだ」と述べ、「前に進む際に間違いなく慎重になる必要があることを示すサインだ」と説明しています。またインフレが予想通り抑制されない場合に0.75ポイントの利上げが必要になる可能性があるとセントルイス連銀のブラード総裁が発言したことに同意するかと問われ、「いかなる行動も実際には可能だが、それは現時点では私の念頭にはない」と語っていました。(ブルームバーグ)

本日はワシントンでG20、G7財務相・中央銀行総裁会合が開催されます。非常に穿った見方かもしれませんが、口先介入では全く効果がない状況下で、会合を通じて米国側に歩調を合わすよう「行き過ぎた円安は好ましくない」といったコメントを要請する可能性もゼロではないように思います。インフレ阻止が喫緊の最優先課題である米国が「協調介入」に賛同するとも思えませんが、最大限譲歩して「口先介入」に同調する可能性があることも、頭の片隅には入れておきたいものです。

本日のドル円は128円30銭~129円90銭といったところでしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)