ドル円は黒田日銀総裁のこれまでとは異なる発言にもかかわらず上昇。127円ちょうどまでドル高が進む。ユーロドルは1.08を挟みもみ合うが、上値の重い展開。株式市場はプラス圏とマイナス圏を繰り返すも小幅に続落。S&P500はほぼ変わらず。債券相場は続落。長期金利は一時2.88%前後まで上昇する場面も。金と原油は続伸。

4月NAHB住宅市場指数   → 77 

ドル/円  126.45 ~ 127.00

ユーロ/ドル 1.0770 ~ 1.0814

ユーロ/円  136.64 ~ 136.94

NYダウ ―39.54  → 34,411.69ドル

GOLD   +11.50 → 1,986.40ドル

WTI    +1.26 →  108.21ドル
 
米10年国債  +0.025 → 2.853%

本日の注目イベント

豪   RBA、金融政策会合議事要旨公表
日   2月鉱工業生産(確定値)
米   3月住宅着工件数
米   3月建設許可件数
米   IMF経済見通し(WEO)
米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演
米   企業決算 → J&J、ネットフリックス、IBM

 「かなり急激な為替の変動のため、企業の事業計画の策定に困難を来す恐れがあるという意味で、マイナスを考慮しなければならない」、「非常に大きな円安とか、急速な円安の場合はマイナスが大きくなる」黒田日銀総裁は昨日の午前、衆院決算行政監視委員会での答弁で、このように発言しました。この発言を受け、ドル円は126円台半ばから126円台前半まで下げる場面もありましたが、その後直ぐに同水準を回復しました。黒田総裁は、円安が全体としてはプラスという評価を変えたわけではないとしつつも、「より注意して見ていく必要がある」との認識を示し、これまでとはややニュアンスを変えた発言になったとの印象は残ります。今朝の日経新聞ではこの発言を1面で取り上げ、「日本経済にプラスと主張していた黒田氏がマイナス面にも言及し、見解を事実上修正した」と論じていました。

 ただ、このような発言にもかかわらず、連休明けのNY市場ではドルがじりじりと買われ、127円ちょうどまで続伸しています。NYではほぼこの日の高値圏で終わり、その流れを引き継いで今朝のオセアニア市場では127円12銭までドル高が進む場面もありました。米債券市場ではFRBが今年残りの全ての会合で利上げを実施するとの見方が徐々に浸透してきたこともあり、10年債には売り圧力が強まっています。長期金利は一時2.88%前後まで上昇し、いよいよ3%が視野に入ってきました。市場参加者の相場観や、読み、インフレ率、あるいは需給で決まる米債券市場に対して、日銀がコントロールしている日本の債券市場では、長期金利の上限、下限が抑えられています。これが先週見られた「指し値オペ」と言われるもので、現在日銀は「0.25%」を上回る金利上昇を容認しません。黒田総裁が円に対する認識をやや変えたとしても、一方で日銀が「0.25%」を超えて金利が上昇するのを抑えている以上、米金利の上昇に伴い日米金利差は拡大する一方です。インフレの波は世界的に押し寄せており、日本も例外ではありません。そのため、日本の10年債にも売り圧力がかかっており、昨日の日本の長期期金利は「0.245%」まで上昇してきました。本日再び同債券への売り圧力が強まり、「0.25%」に近づいた時、日銀が再度無制限の「指し値オペ」を通知してくるのかどうか、非常に注目されるところです。仮に通知がなければ、今後の政策変更への「布石」とも受け止められ、短期的に円が買われる可能性があるかもしれません。今後政府からの円安を牽制する発言が増えることも予想され、その都度円高に振れる場面があるかもしれませんが、日米金融当局の基本政策が変わらない限り、円が大きく買い戻される可能性は低いとみています。

 FOMCメンバーの中でもタカ派の最右翼にいるセントルイス連銀のブラード総裁の舌がさらに滑らかになっています。ブラード総裁は18日、オンライン形式のイベントで講演し、FOMCが複数回の0.5ポイントの利上げで年内の政策金利を3.5%前後に早急に引き上げる必要があると述べ、「0.75ポイントの利上げも排除しない」との考えを示しました。ブラード氏は、現時点で0.5ポイントを上回る利上げは自身の基本シナリオではないと述べながらも、グリーンスパンFRB議長時代の1994年にもそうした利上げはあったと指摘し、「その可能性を排除しない」と語っています。(ブルームバーグ)

 米財務省は、今週ワシントンで開催されるG20財務相・中央銀行総裁会議にロシア当局者が参加した場合でも、イエレン財務長官は自動的に会議をボイコットするわけではないことを明らかにしています。イエレン長官は一部会議への出席は見送るものの、ロシアのウクライナ侵攻による経済的影響に的を絞った会議には参加するようです。ただ、米国とロシアの双方が出席する会議がどれに当たるのかは明確になっていないと報じられています。

 ウクライナがロシアの「最終通告」にも応じなかったことで、ロシア軍の幹部は「殲滅させる」と過激な言葉を発している中、ロシア軍による攻撃がさらに激しさを増すと予想されます。ゼレンスキー大統領は、「ロシア軍がドンバス地方の制圧作戦を開始した」と述べています。ウクライナ南東部のマリウポリはロシア軍に包囲されており、多くの兵士や女性がアゾフスタル製鉄所に非難しているようです。ロシアがウクライナへの侵攻を開始して間もなく2カ月になります。何としてもマリウポリを手に入れたいロシアは、ここを標的に攻撃を強めるとの観測もあります。

本日のドル円は126円50銭~127円60銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)