上海証券取引所のメインボードへの上場を目指す、重慶望変電気(603191/上海)が4月18日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。8329万元を発行予定で、公募価格は11.86元。公募開始後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は1994年設立の民営企業で2014年に株式会社化した。送電・配電、制御設備、および方向性ケイ素鋼の研究開発、生産、販売を主業務とする。重慶市、四川省、貴州省、雲南省などの中国南西地域を中心に、華中、華南の各地域を含む販売ネットワークを構築し、国家電網、南方電網傘下の多くの電力会社と長期的に安定した提携関係を築いてきた。21年12月期の売上構成は、送電・配電、制御設備が45.23%、方向性ケイ素鋼が54.77%となっている。
 
 送電・配電、制御設備は、主に電力変圧器、ボックス式変電所、セット化電気設備などで、電力ネットワークの構築、安全性、安定性に直接影響することから、中国の重要な戦略的産業と位置づけられている。国内の電力ネットワーク整備に伴い持続的な成長を続けており、2018年の送電・配電制御設備市場規模は約4兆880億元と前年比で約14.16%増加した。中国国内の電力使用量は年々増加し、08年の3兆4300億キロワット時から20年には7兆5100億キロワット時と年平均6.75%のペースで上昇した。電力ネットワーク建設投資額は2018年から減少傾向にあるものの、5Gに代表される新時代の通信ネットワーク、新エネルギー自動車など電力を必要とする新しい技術の発展、そして石炭に代わる太陽光、風力などの新エネルギー発電設備、ネットワークの整備により、今後も送電・配電制御設備産業は大きな需要が見込まれる。

 方向性ケイ素鋼は変圧器や各種モーターを製造する上での主要材料の一つだ。中国の方向性ケイ素鋼生産量は2010年の53万5400トンから20年には3倍近い157万6200トンにまで増加した。業界では宝鋼股フェンが20年現在で年産90万トンと中国国内全体の半数を大きく超える生産能力を持っている。重慶望変電気の生産能力は年産6万2500トンで業界4位だ。
 
 同社は長年の経験により多品種、多規格な製品ラインや、運用・メンテナンスにおけるソリューションプランを蓄積しており、電力関連企業の総合的なニーズに柔軟に対応可能であること、方向性ケイ素鋼から変圧器までワンストップの生産が可能であること、西部大開発の中枢である重慶市を拠点とし、比較的競争相手の少ない南西、北西地域を主な活動エリアとしていることなどを強みとしている。一方で、同社の送電・配電、制御設備の生産能力はすでに飽和状態にあるほか、設備のインテリジェント化レベルでライバル企業の後塵を拝していることが今後の発展に向けての大きな課題だ。
 
 2021年12月期の売上高は19億3334万元(前期比49.08%増)、純利益は1億7814万元(同25.01%増)。22年1〜3月期の業績予測は、売上高が約3億7000万〜3億9000万元(前年同期比8.15〜13.99%増)、純利益は約3300万〜3800万元(同4.15〜13.62%増)となっている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)