深セン証券取引所の創業板への上場を目指す、湖南省艾布魯環保科技(301259/深セン)が4月14日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。3000万株を発行予定で、公募価格は18.39元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2013年設立の民営企業で、17年に株式会社化した。農村の生活環境、生態環境、生産環境マネジメントの3大分野向けに投融資、コンサルティング、プロジェクト設計、工事請負、各種設備の製造・販売、薬剤や生態環境修復用植物の生産・販売などのサービスを手掛ける。特に農村、農業における汚水、固形廃棄物、土壌汚染、生態といった問題の解決に取り組む、農村環境総合マネジメント企業だ。
 
 2021年12月期の売上構成は、農村の汚水・ごみ処理などの生活環境マネジメントが28.29%、農村生態環境マネジメントが15.78%、農村生産環境マネジメントが48.31%となっている。また、売上の92.45%は入札方式によるものだ。
 
 中国では2013年頃より農村の生態環境破壊、過剰な資源開発による悪影響が頻発するようになり、共産党や政府が農村、農業の環境改善、農業の現代化、農業循環経済の発展などに本腰を入れ始めた。18年には「郷村振興規画(2018〜22年)」が出され、農村環境マネジメントが国家戦略に組み込まれた。20年には「全国重要生態系保護・修復重大プロジェクト全体規画(2021〜35年)」により、全国的な生態系保護・修復作業が始まったり、21年には「郷村の振興を全面的に推進し、農業・農村の現代化を加速させることに関する意見」などが発表された。現在、国家レベルで農業・農村の現代化、農村生態文明づくり、農村の生産・生活方式のグリーン化、低炭素化が進められており、関連産業に対して国による重点的な資金助成が行われている。
 
 同社は湖南省を中心として、湖北、江西、広西、貴州、雲南、四川、安徽などに業務範囲を拡大している。近年多くの重要農村環境プロジェクトを手掛けてきたことで知名度やブランド力も高まっており、農村環境マネジメント企業として一定の影響力を持つに至った。汚水処理、ごみ処理、水生態系修復、鉱山生態修復、耕地の管理・修復、汚染防止など、農村の環境マネジメントに関する幅広い技術体系を網羅し、付加価値の高い関連製品やサービスを提供できることなどが同社の強みだ。
 
 一方で、さらなる業務、市場の拡大、研究強化、人材確保のためには資金が不足しており、上場によって資金力の強化を目指す。また、業務の性質上主要な顧客は政府機関や国有企業で、売上の大部分は行政の財政支出によるものであるため、同社の業績は国や地方の政策変更の影響を強く受けやすい。今後国や地方政府が農村政策に対するウエイトを下げた場合には売上や利益が大きく減少するリスクを抱えている。
 
 2021年12月期の売上高は5億2175万元(前期比6.09%増)、純利益は7064万元(同19.94%増)。22年1〜3月期の業績予測は、売上高が6500万〜7600万元(前年同期比12.34%減〜2.49%増)、純利益が1050万〜1210万元(同20.38%〜8.25%減)となっている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)