深セン証券取引所の創業板への上場を目指す、厦門嘉戎技術(301148/深セン)が4月12日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2913万株を発行予定で、公募価格は38.39元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2005年設立の民営企業で、15年に株式会社化した。膜分離設備、高性能膜ユニットなどの製品の研究開発、製造、応用技術により、高濃度汚染水処理、クリーン生産のソリューションプランを提供する。製品は、主にゴミ浸出液処理、工業排水処理などの分野に利用されている。2021年1〜6月期における売上構成は、膜分離設備の販売が約36%、膜ユニットおよび消耗品が約17%、高濃度汚染水処理サービスが約47%となっている。設立から現在までに、300を超える高濃度汚水・廃水処理プロジェクトに膜分離設備を提供し、自社が実施する高濃度汚水・廃水処理サービスプロジェクトも60を超えた。
 
 同社の製品は中国の31省・自治区・直轄市で提供されており、大手環境保護企業や、各地の公共事業、衛生管理当局を顧客に持つ。また、コロンビア、アンゴラ、ブラジル、シンガポール、日本など海外の環境保護プロジェクトでも利用されている。2019年の中国における同社のゴミ浸出液処理設備売上シェアは7.64%で、年々上昇傾向にある。一方、同年の工業排水膜処理設備のシェアは0.01%未満と非常に小さい。
 
 選択的分離機能を持つ膜技術は、水質浄化や汚水・廃水処理の重要技術の一つであり、中国国内の環境保護対策強化に伴いその重要性がますます高まっており、各種の産業支持政策により膜技術や環境保護設備製造市場は大きな発展のチャンスを迎えている。中国の膜産業市場規模は2009年の227億元から、19年には2773億元と年平均30%以上のペースで増加し、今後も年平均10%以上の成長を維持する見込みだ。
 
 同社はDT、STなど多数の構成、RO、NF、UFなど各種口径の膜ユニット製品を網羅しており、さまざまな顧客のニーズに対応可能であること、厳格な管理体制による高い品質、処理量の異なる標準規格製品の提供による短納期、低コストでの納品が可能、充実したサービス提供能力などを強みとしている。一方で、市場のニーズを満たし、さらなる事業の発展を実現するだけの生産能力を持っていないというボトルネックを抱えている。また、新型コロナの流行収束が遅れ、環境保護や汚水処理のプロジェクトに遅滞が発生すれば同社の業績に大きな影響を及ぼす可能性がある。
 
 2021年12月期の売上高は6億7531万元(同13.00%増)、純利益は1億4866万元(同1.39%増)。22年1〜3月期の業績予測は、売上高が1億3000万〜1億6000万元(前年同期比8.00〜32.92%増)、純利益が2000万〜3000万元(同4.22〜36.15%減)となっている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)