上海証券取引所のメインボードへの上場を目指す、中国海洋石油(600938/上海)が4月12日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。29億9000万株を発行予定で、公募価格は13.72元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は1999年設立の国有企業で、2001年2月にニューヨーク証券取引所、香港証券取引所(00883)にそれぞれ上場したが、21年10月22には米国政府の制裁対象としてニューヨークの上場が廃止された。原油および天然ガスの探査、開発、生産、販売を主業務とする、中国最大の海上原油・天然ガス生産業者であるとともに、世界最大クラスの独立した原油・天然ガス探査・生産グループの一つである。2020年末現在、埋蔵量は53億7000万石油換算バレルで、1日あたり144万3000石油換算バレルの生産量を誇る。年間の生産量は11年の3億3200万石油換算バレルから20年の5億2800万石油換算バレルまで増加した。
 
 中国国内では自社独自、あるいは共同開発形式で渤海、南シナ海東部・西部、東シナ海地域で探査、生産活動を展開するとともに、一部陸上での生産活動も行っている。また、インドネシア、イラク、UAE、オーストラリア、ナイジェリア、ウガンダ、米国、カナダ、ブラジル、英国、ロシアなど世界20カ国・地域以上の原油・天然ガスプロジェクトの開発券を持っている。さらに、世界的な新エネルギー開発の潮流の中で、豊富な海上作業経験を活かして風力発電などの事業も積極的に模索している。
 
 世界の原油・天然ガス需要は安定的に成長を続けている。新エネルギーへのシフトを積極的に進める欧米の先進国で需要が減少するものの、今後も新興国を中心としたさらなる需要増が見込まれる。2035年の石油需要量は50億9000万トンと20年より23.7%増加すると見られる。また天然ガスも50年には6兆1000億立方メートルと20年から60.0%増加する予想だ。

 同社は10年以上採掘が続けられる原油・天然ガス資源の埋蔵量を確保している上、新規の油田、ガス田の発見、開発によりさらに採掘可能量を増やしていること、多くの資源が埋蔵している中国の海域を主な作業地域としていること、優れた海洋資源の探査、開発技術を持っていること、充実した内部トレーニングやインセンティブなど、優れた人材を育成、確保する体制が整っていることなどを強みとする。一方で、原油や天然ガスの価格変動が業績に大きく影響すること、新エネルギーの普及に伴う原油・天然ガス視点の需要変化といった経営上のリスクを抱える。また、北米地域のオイルサンドやオイルシェールなど開発コストが高いプロジェクトにおいて収益力を高めていくことなどを課題としている。
 
 2021年12月期の売上高は2461億1169万元(前期比58.40%増)、純利益は703億1965万元(同181.77%増)。22年1〜3月期の業績予告は、売上高が690億〜830億元(前年同期比32〜58%増)、純利益が270億〜280億元(同62〜89%増)となっている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)