上海証券取引市場の科創板への上場を目指す、江蘇集萃薬康生物科技(688046/上海)が4月12日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。5000万株を発行予定で、公募価格は11日に発表する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2017年設立の民営企業で、20年に株式会社化した。実験用マウスの研究開発、生産、販売および関連技術サービスを主業務とし、知的財産権を持つ実験用マウス商品を提供するとともに、モデリングから飼育および繁殖、薬効分析までのワンストップカスタマイズサービスも提供しており、顧客による遺伝子機能認知、疾病機序解析、薬物の標的発見、薬効のスクリーニング検証などの基礎研究や新薬開発における実験用マウスのニーズに応じている。

 同社は2021年6月30日現在で累計約2万種類におよぶ実験用マウス製品を作っており、業界トップクラスを誇る。主に中国国内市場をターゲットとしているが、米国に子会社を、欧州に事務所を設置するなど海外市場戦略も進めている。年間に販売するマウスは約60万匹で、主に腫瘍薬効研究用、糖尿病、動脈硬化、認知症などのモデルのマウスを提供している。顧客数は清華大学、北京大学、中国科学院など中国の主要教育・研究機関や大型病院、国内外の創薬企業、CRO研究開発企業など1000を超える。同社の実験用マウス製品の中国国内シェアは6.0%で、米チャールズリバーの子会社である維通利華の13.7%に次いで2位だ。
 
 実験動物は現代の生命科学研究の発展に欠かせない存在であり、人類の身代わりとしての役割を担っている。中でもマウスは実験動物として最も広く用いられており、そのゲノムがヒトのゲノムと高い類似性を持つことや、繁殖能力の高さ、世代サイクルの短さ、飼育コストの低さといった長所を持っている。中国の実験用マウス市場は、国内の薬物研究開発の急速な発展に伴い大きく成長しており、売上高は2015年の4億元から19年には16億元にまで増加した。また、25年には56億元、30年には107億元にまで達し、代理繁殖やモデリングなどの関連サービスを合わせた市場規模は236億元となる見込みだ。
 
 同社は実験動物分野で豊富な経験を持つ専門家によって上層部や技術チームが構成されていること、2万種類に及ぶKOマウス(遺伝子欠損させたノックアウトマウス)およびcKOマウス(条件付きノックアウトマウス)モデルバンクを構築し、顧客のニーズにあったマウスを短納期かつ低コストで提供できる体制を構築していること、国際規格に適合した品質管理体系による信頼性の高い製品が提供できることなどを強みとする。一方で、生体マウスを中国全土に提供する上で不可欠な各地の生産拠点づくりが不十分という大きな課題が存在する。顧客のニーズに応え続けるために常に最新のゲノム編集技術を獲得する必要があること、中国の特許法では動物品種が保護範囲の対象になっていないこと、マウスの感染症を防ぐための厳重な管理が必要であり、一度問題が発生すれば徹底的な浄化と検証が求められることなどが経営上のリスクとして挙げられる。
 
 2021年12月期の売上高は3億9378万元(前期比50.35%増)、純利益は1億2492万元(同63.45%増)。22年1〜3月期の業績予測は、売上高が1億500万〜1億2500万元(前年同期比36.68〜62.71%%増)、純利益が2700万〜3200万元(同48.65〜76.18%増)となっている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)