深セン証券取引所の創業板への上場を目指す、湖北中一科技(301150/深セン)が4月12日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1684万株を発行予定で、公募価格は11日に発表する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2007年に湖北中一銅業有限公司として設立した民営企業で、16年に株式会社化して現社名となった。高性能な電解銅箔製品の研究開発、生産、販売を主業務とする。電解銅箔はリチウムイオン電池、銅張積層板(CCL)、プリント基板(PCB)を製造するうえでの重要な材料であり、新エネルギー自動車用動力電池、蓄電設備や電子製品など幅広い分野で利用されている。同社では厚さ4.5〜12マイクロメートルのリチウムイオン電池用銅箔の生産が可能で、中でも比較的高い技術が要求される6マイクロメートルの超薄型両面銅箔が主力製品となっている。また、PCBなどに用いられる標準銅箔では厚さ12〜175マイクロメートルの製品を提供している。
 
 2021年1〜6月期の売上構成は、リチウムイオン電池用銅箔が55.32%、標準銅箔が44.68%となっている。
 
 リチウムイオン電池用銅箔市場は、世界のリチウムイオン電池市場規模の急速な拡大に伴い安定的に成長している。2015年には7万4000トンだった世界のリチウムイオン電池用銅箔出荷量は20年には22万5000トンと3倍以上に増加した。中でも中国は新エネルギー自動車産業チェーンが充実していること、大きな自動車販売市場があることから、中国国内の自動車メーカーだけでなく、フォルクスワーゲンやダイムラー、フォード、テスラといった大手海外メーカーも中国での生産を強化しており、動力用電池および銅箔の需要がますます高まっている。20年における中国のリチウムイオン電池用銅箔の出荷量は12万5000トンで前年比13.9%増加した。このうち、10万5000トンが同社を含む中国企業製だ。
 
 同社は、電解銅箔の自動化生産ラインの設計、最適化能力、豊かな経験に裏付けられた製品開発力、技術力、材料調達から製造、納品までの厳格な品質管理体制などを強みとする一方で、生産能力に限界があり6マイクロメートル以下の超薄型リチウムイオン電池用銅箔が顧客の需要を満たせていないというボトルネックを抱えている。また、リチウムイオン電池メーカーの寧徳時代に対する売上の依存が2021年1〜6月期で46.93%と大きくなっていること、銅箔生産が当局による生産エネルギー消費削減政策の対象となっていること、将来的に主流となるであろう4.5マイクロメートル銅箔の量産体制が整っていないこと、市場競争の激化、主原料である銅の価格上昇といった点が経営リスクとなっている。
 
 2021年12月期の売上高は21億9658万元(前期比87.80%増)、純利益は3億8139万元(同207.64%増)。22年1〜3月期の業績予測は、売上高6億6770万〜7億1500万元(前年同期比54.11〜65.03%増)、純利益は1億180万〜1億1500万元(同21.16〜36.87%増)となっている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)