ドル円は小動きのなか、米長期金利の上昇が支えとなり底堅く推移。NYでは124円まで買われ、高値圏で取引を終える。ユーロドルは前日と同水準で推移。1.09を挟みもみ合う。株式市場では3指数が3日ぶりに反発。ザラ場では下げが拡大する局面もあったが、引け値では小幅ながら上昇して取引を終える。債券は5日続落。長期金利は一時2.67%台まで上昇し、2.65%台で取引を終える。金は3日ぶりに反発。原油は小幅ながら3日続落。

新規失業保険申請件数    →  16.6万件
2月消費者信用残高     →  41.82b

ドル/円    123.76 ~ 124.00
ユーロ/ドル  1.0868 ~ 1.0936
ユーロ/円   134.73 ~ 135.50
NYダウ  +87.06  → 34,583.57ドル
GOLD   +14.70 → 1,937.80ドル
WTI     ―0.20 →  96.03ドル
米10年国債 +0.060 → 2.658%

【本日の注目イベント】

日 2月貿易収支
日 2月国際収支
日 3月景気ウオッチャー調査
加 3月就業者数
加 3月失業率

国連総会は7日の緊急特別会合で、国連人権理事会におけるロシアの理事資格を停止する決議案を賛成多数で可決しました。議決案への賛成は「93カ国」で反対は、イラン、ベラルーシ、シリア、北朝鮮、中国など「24カ国」でした。資格停止案はウクライナでの行為を理由に提起されたもので、1カ月半の戦争で「失われた無実の人々の命の側にたつように」と、ウクライナの国連大使が訴えましたが「58カ国」が棄権に回っています。ロシアはまた、ウクライナからの停戦案を拒否したとラブロフ外相が明らかにしています。ラブロフ氏は、ウクライナの安全を多国間で保障する枠組みについて同国案には、クリミア半島を適用外にする項目が省かれたと説明し。ウクライナで軍事演習を実施する際にロシアの同意が必要とする、ロシア側が求めた項目も盛り込まれなかったことを、拒否の理由に挙げています。(日経新聞)

G7首脳はロシアのウクライナ侵攻への対応として、エネルギー分野を含むロシア経済分野への新規投資を禁止するとの共同声明を発表しました。ロシアからの石炭輸入の禁止や段階的縮小を進めるとともに、ロシア産の石油への依存を低減する取り組みを加速すると発表しています。(ブルームバーグ)しかし実際にはロシアの経済的打撃は現時点では限定的なようです。ロシア極東産ソコル原油の来月出荷分は完売していると報じられています。中国の数社が3月のロシア産石炭を人民元で購入したことも報告されており、ロシアから欧州に輸出されるガスの量は、侵攻以降に倍増し、このいずれもが、制裁の対象になっていないとのことです。ブルームバーグの集計では、ロシアがエネルギー輸出で今年上げる収入は3200億ドル(約40兆円)と予想され、前年から3割強の増加が見込まれています。

タカ派の代表格であるセントルイス連銀のブラード総裁は7日、ミズリー大学での講演後記者団に対し、「FOMCが今年下期に政策金利を3-3.25%に引き上げることが望ましいと考える」とし、「直面するインフレに対応するため、われわれは政策金利を適切な水準にすべく、直ちに動く必要がある」と語りました。ブラード氏は、5月のFOMC会合について早まった判断を下したくないとし、今後新たに入手するデータを考慮する考えを示しましたが、同氏は3月の会合で「0.5ポイントの引き上げ」を主張し、「0.25ポイントの引き上げ」には、唯一反対票を投じていました。FF金利を今年下期までに3-3.25%まで引き上げるとすれば、仮に5月の会合で「0.5ポイント」の利上げが実施されたとしても、残り5回の会合で都合「2.5ポイント」の引き上げが必要になることになります。これは5回連読して「0.25ポイント」引き上げても追い付かず、5会合のうち4回は「0.5ポイント」の大幅引き上げが実施される計算になります。これはあくまでも机上の計算になりますが、今後のウクライナ情勢の動向や原油価格の推移を見極めなければなりません。足下の原油価格は徐々に低下しており、今週は常時100ドル以下で推移しています。2月の米CPIは「7.9%」と40年ぶりの高騰を見せましたが、インフレ率はここから大幅に低下することはないにしても、ピークが近いのかもしれません。

日銀審議委員の野口氏は昨日、熊本県で行われた金融経済懇談会後の会見で、デフレからの脱却を目標とする日本にとっては円高よりも円安の方がプラスだとの考えを示しました。野口氏は、「経済全体としてメリットとデメリットを比較すると、現状では円安のプラス面の方が大きい」と述べています。ただ、エネルギー価格の上昇は、輸入にほぼ依存する日本にとって「交易条件の悪化をもろに被り、経済全体の下押し圧力になる」とし、「為替の問題とは切り離して考える必要がる」と語っています。政府財務省からは円安を警戒する声が出始めていますが、野口氏は黒田総裁と同じ認識を示したことになります。注意したいのは、為替の問題はあくまでも「財務省」が主管です。従って、財務大臣や財務官の発言が非常に注目され、仮に市場介入をする場合でも、日銀は財務大臣の指示のもと実施することになります。FF金利が今後ブラード総裁の主張するような水準になるとすれば、ドル高がさらに進むと予想されますが、仮に当局が市場介入に踏み切ったとしても、日本単独ではその効果は限定的であったことは過去の歴史が物語っています。

本日のドル円は123円60銭~124円70銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)