ドル円は東京時間に124円05銭まで上昇したが、NYでは上値が重く、長期金利の上昇にも反応せず。123円46銭まで売られたがその後反発。ユーロドルは続落。約1カ月ぶりとなる1.0879前後まで売られる。株式市場は大幅に続落。FOMC議事録の内容が重しとなり、さらに長期金利の上昇に3指数とも売られる。ナスダックは2日連続で2%を超える大幅な下げに。債券も続落。長期金利は一時2.65%台まで上昇。金と原油はともに続落。

ドル/円  123.46 ~ 123.93

ユーロ/ドル 1.0879 ~ 1.0938

ユーロ/円  134.77 ~ 135.47

NYダウ ―144.77  → 34,496.51ドル

GOLD   ―4.40 → 1,923.10ドル

WTI    ―5.73 →  96.23ドル
 
米10年国債  +0.051 → 2.598%

本日の注目イベント

豪 2月貿易収支
日 2月景気先行指数(CI)(速報値)
中 3月外貨準備高
独 2月鉱工業生産
欧 ユーロ圏2月小売売上高
欧 ECB議事要旨(3月会合分)
米 新規失業保険申請件数
米 2月消費者信用残高
米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
米 アトランタ連銀総裁とシカゴ連銀総裁、イベントに参加

QE(Quantitative  Easing)からQT(Quantitative Tightening) へ。

 公開された3月のFOMC議事録では、FRBの大規模な保有資産を月額最大950億ドル(約11兆7600億円)のペースで縮小することが示唆され、前日の講演でブレイナードFRB理事が述べていた、「5月にもバランスシート縮小を急速なペースで行う可能性がある」との発言と整合することになっていました。

 議事録では、「参加者は総じて、米国債で月額600億ドル程度、MBSで同350億ドル程度を上限とすることが適切になりそうだとの見解で一致した」と記され、「参加者はまた、市場環境から見て妥当と判断される場合は縮小規模の上限を3カ月ないし、それよりやや長い期間をかけて段階的に導入し得るとの認識でもおおむね一致した」とありました。また政策金利については、「特にインフレ圧力の強い状態が続く、ないしはさらに強まった場合、今後の会合でFF金利誘導目標レンジの0.5ポイント引き上げを1回以上行うことが適切になり得ると、多くの参加者が認識した」と記されていました。(ブルームバーグ)3月の会合では0.25ポイントの利上げを決めましたが、これは、ロシアのウクライナ侵攻が起きたことで0.25ポイントの利上げにとどめたとあり、ウクライナへの侵攻がなければ多くの当局者が0.5ポイントの利上げを支持していたことも判明しています。FRBは遅まきながら本格的にQEからQTへと舵を切り直したことが明確となり、債券市場では債券がさらに売られ、長期金利は連日で直近の最高水準を上回る展開が続いています。これを受け、株式市場で今後利上げペースが早まるとの観測から連日大幅な下落が続います。QEの終焉は言い換えれば、「ゴルディロックス」の終焉ということにもなりそうです。

 キーウ(キエフ)郊外でのロシア軍による残虐な行為に対し、米国は追加の制裁措置を発表しました。バイデン大統領はロシアがウクライナで行った行為は「重大な戦争犯罪だ」と批判し、ロシアの銀行大手ズベルバンクと民間銀行最大手アルファ銀行との取引を禁止することを発表しました。エネルギーセクターを除く米国の全企業・団体が両行との取引を禁じられたことになります。またバイデン政権の高官は、プーチン氏の成人した2人の娘、さらにラブロフ外相の妻と娘、ロシアの安全保障会議メンバーも制裁の対象になると述べています。ブルームバーグによると、バイデン大統領は、米国の個人と団体によるロシアでの新規投資を禁じる大統領令に署名し、大統領は「600もの企業が自主的にロシアから撤退した」と述べるとともに、米企業がこうした動きを強化するとしています。さらに、米国と同盟国の制裁により「ロシア経済は今後数年間成長を阻まれるだろう」と話し、ロシアのGDPは今年だけで前年比2桁の減少になると説明しています。

 イエレン財務長官が久しぶりに議会で証言を行っています。イエレン氏は、「罪のないウクライナ市民に対するブチャでの残虐行為を含め、ロシアの行動は非難に値する。ルールに基づく世界秩序への容認できない侮辱だ。世界的に経済への甚大な影響があるだろう」と証言しています。また、この戦争でIMFや世銀といった国際金融機関の作業がいっそう重要になったとして、ウクライナ復興では「重要なパートナーになる」と語りました。イエレン氏は今年のG20会合にロシアが出席を認められていることに関して、「ロシアが参加する限り、われわれは数々の会合に出席しない方針だとインドネシアに明確に伝えた」と公聴会での質問に答えています。さらに、「中国が台湾に対する攻撃に動いた場合、バイデン政権として中国にあらゆる制裁手段を使う用意がある」と発言し、対ロシア制裁で明らかになったように、侵略的な国家に多大な苦痛を強いることが米国は「可能であることが示された」とも述べ、中国の軍事的拡大を牽制するような形になっています。

ドル円は昨日の東京市場で124円05銭まで上昇する場面がありましたが、その後米長期金利の一段高にもかかわらず、上昇の勢いは見られません。明らかに前回125円台までドルが買われた状況とは異なっています。5月のFOMCでの0.5ポイント利上げは確実になっていると思われ、その後も現時点では利上げが続くとみられますが、ドル買いで攻める投資家はやや慎重になっていることが窺えます。

本日のドル円は123円~124円程度とみています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)